内容説明
浜名湖畔の料亭「花ずみ」。名女将とうたわれた姑が逝って一年がたった。ある日、料亭を継いだ夫からかかってきた不可解な電話から、それは始まった。その日を境に、平凡な主婦に甘んじていた通子の人生は世間の荒波にもまれてゆく…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
59
平凡な主婦が出会うのは夫の愛人。心の奥では憎み合っている姑との関係。仕事ばかりで妻に無関心な夫。思春期の娘。多額の借金、そして料理屋の経営。かなりのドロドロを期待してしまうが、情景が美しいからなのか以外にも爽やかな読後感。様々な立場の登場人物の思惑が絶妙に絡んでゆく様が面白い。2018/11/10
万葉語り
26
ドラマの原作ということで図書館で借りました。静岡新聞の連載小説ということは、当時見ていたはず。道理で馴染みのある地元の地名や、食材が出てきました。ドラマの配役もぴったりでこの先も楽しく見られそうです。面白かった。2016-2082016/10/08
きき
9
酷い遣り方で愛人の存在を知らせ離婚を迫る夫旬平。彼の言う「お前は振り返ってくれない」がいまいちよくわからなかった。六年間も浮気を続けてる旦那に気が付かない妻の無関心がそれなのかな?早い段階で旬平の通子へ愛は明らかになるので、別れたいと言われても縋り付く愛人の存在が夫婦の仲を引っ掻き回すだけの存在で正直クドイなぁと。通子の元夫、夫の愛人、ワケあり従業員、普通じゃ考えられない人達を側に置きたがる性格も小説とは言え理解出来なくて消化不良2016/09/18
きき
8
ドラマ観て再読。やっぱり原作には敵わないなと実感した。ヒロイン通子さんの出会う人すべてを惹きつける情の深さと芯の強さが蓮城さんの美しい文章の力を借りて溢れてくる様です。愛人多衣もドラマでは周りの見えない独りよがりなお騒がせ女性のような描き方になってしまっているけど、小説のほうでは馬鹿なふりをした賢い女性の哀しさを見せていて後半の通子へ心酔していく姿が素敵だった。私には小説のほうが良かったなぁ2016/12/16
ハチ
6
再読。ドラマ化されるたびに読み直してみる本だけど、この小説の独特の世界観や熱のようなものは今の役者には出せないんだなと毎回物足りなさを感じる。 連城さんの筆のチカラに改めて驚く。 読んでいるときの通子の息遣いや体温まで感じてくるような不思議な感覚は文章力の凄さなのだろうか2019/01/17
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- 和書
- 保健室 〈62号〉