内容説明
「君が代」の作曲者は実は外国人だった!エンペラーではない「天皇」の独自性、日本人は本当に無神論者か、死に急ぐ人たち、日本人の幸福感とは…。地中海マヨルカ島生れのスペイン人神父、法哲学者で在日35年の著者が、東西古典への深い知識、明敏で人間味溢れる洞察力、そして何よりも日本への親愛の情をもって綴る34章。文化論から幸福論までを語る、新しい日本人論。
目次
朝の挨拶
「塩の人間」
戦後のミステリーNo.1
少しばかりの謎解き
人間-人間=0
原宿
エンペラーではない「日本のエンペラー」
日本社会と個人主義
一九八八年あれこれ
日本式クーデター(三島事件)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
「西洋の法学者たちが「法」と「道徳」は別個のものだという大発見をしたのは近代に入ってからでした。そればかりか、この二つの概念をいっしょにするのは未開社会に暮らすも同然であるが故に、両者は切り離して考えるべきだ、と言い出す者まで出てきたのです。これに対して中国では「法(ファー)」と「禮(リー)」、つまり法と道徳は古来より別個のものであり…当時の社会のまぎれもない現実でした」「私たち西洋人の骨の髄まで滲み込んでいる「契約」の思想…古代より「契約を守るべし」の原則は、正しく自然法の原則でした」2017/10/15