出版社内容情報
猫のまたぐらより暑い夏の日の午後、飼い主のマフィアが銃殺され、アザラシのヒョーはひとりきりで世界に繰り出す。奇才の最新長編!
内容説明
猫のまたぐらよりも暑い夏の日の午後、ヒョウアザラシのヒョーの誕生パーティーの只中に、マフィアのチェレンコフとその一味が銃殺された。ひとりのこされたヒョーはチェレンコフの亡霊に促され、アザラシ用ゴルフカートで町へと繰り出す。汚染された土地、プラスチックの雨、奇妙な人々、破壊された次の地球―。ふくざつな世界の大きなかなしみをめぐる、比類なき物語。
著者等紹介
一條次郎[イチジョウジロウ]
1974年2月生まれ。山形大学人文学部卒業。2015年、『レプリカたちの夜』で新潮ミステリー大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
114
ロシアマフィアのペット、豹アザラシ。組織の壊滅で、ハードボイルドに生き抜く。世界は温暖化とマイクロプラスチックで破滅寸前。 変わった味わい。冗談か?2024/08/07
うののささら
79
前作同様シュールな世界。マフィアのボスチェレンコフに飼われたアザラシのヒョー。生命プラザという涙御殿で不自由のない満ち足りた暮らしをするが、ボスの死により漂流生活が始まる。外の世界は中国からの大量のプラスチックをうめる赤い海に浮かぶ血をかぶったような月。マスゴミは悪く見えるのは錯覚と嘘しか言わないが、住んでる人もあやしい滅びゆく世界。正気では生きていけない世界は無意識が夜をはみ出し飛んでいく。感想はシュールでした。2022/04/05
ぼっちゃん
45
【第35回山本周五郎賞候補作】ボスが殺され、ひとりとなったアザラシのショーが居場所を求めて漂流する物語。汚染された土地、プラスチックの雨など社会風刺した物語なのか、奇妙過ぎて世界観が分からなかった。【図書館本】2022/04/23
うさみみ
29
これこれ。この適度な脈絡のなさ。不可思議な詳細さ。泥酔した時に見た悪夢のようと書いていた人がいた気がする。幻想と現実がまじりあい、伝えたいことがあるのかないかも判然としない。理にかなった話とかスッキリ解決とか、わかりやすい収穫を期待して読むとなんだこれと感じると思う。でもなあ、不思議と癖になる味なんだよな。論理合理を重視した、筋の通った話ばかり読む自分にうんざりしてる自分もいるのかもしれない。マフィアの飼い主を失ったアザラシが旅をする話。環境破壊への言及もあり少し暗いが、今作もとぼけたユーモラスさが快い。2022/09/29
おすし
27
資本主義経済貨幣経済の闇、海洋汚染、放射能汚染、ゴミ問題、そんなディストピアの中でほぼ絶滅した動植物たち、たぶん他にも読み取りきれていないメタファーいろいろで純文学寄り。比喩表現もりもり小説は好きですけど、一條さんの他作品にあった文章のおもしろみが薄味で物足りないですかね~、でもビールの銘柄がやたら物騒なのといろんなネーミングセンスがむだに陽気なのは笑う。音楽を引用して悪ノリするおかしみもちょっと少なめだったな。今回のBGMはアグスティンバリオス2024/05/01
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