出版社内容情報
逃げたい、逃げなきゃ。でもどうやって?国道沿いのラブホが夜を照らす小さな村で、みっともなく自分を探す高校生と大人の青春小説。
逃げたい、逃げなきゃ。でも、どこへ? 野口は、この村いちばんのヤリマンだ。けれど僕は、野口とセックスしたことがない―― 大型スーパーと国道沿いのラブホが夜を照らす小さな町で、息苦しさを抱えて暮らす高校生と大人たち。もはや人生詰んでるけど、この外でならば、なんとかなる、かも、しれない。あきらめと若さが交差する、疾走感に満ちたデビュー作。
内容説明
野山を自転車で爆走していた高校1年の男子生徒は深夜3時の道端で、クラスメイトの女子高生を拾う。「セックスしてただけ」と話す“村いちばんのヤリマン”をただ家まで送り届けるだけの奇妙な共犯関係が始まり…。あきらめと若さが交差する、疾走感に満ちたデビュー作。第11回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞受賞作。
著者等紹介
こざわたまこ[コザワタマコ]
1986年福島県南相馬市生まれ。専修大学文学部卒。2012年「僕の災い」で第十一回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
177
読んでる間すごく息苦しくて痛々しかった。地方都市に生きる人々の連作短編集。閉塞感たっぷりで故郷や自分自身に囚われている登場人物たち。高校生から大人までいけないことをしているとわかっていながら、もがき苦しんでいる。「僕の災い」「ふるさとの春は〜」の2人の関係いいな。「美しく、輝く」は本当に痛々しくてリアルで酷い。でも真理子と一緒に涙。惹き込まれる文章で心理描写も丁寧に描かれる。どの章も苦しくなったが各章のラストにはあがいた先にある小さな光を感じることができとても良かった。あと切なさもあれば更に良かったかも。2018/04/17
mike
71
「負け逃げ」というタイトルをつけたこざわさん、恐れ入ります❗話は山合の地方の高校に関わる人達の群像劇である。真面目な優等生にも暗いボッチの子にも軽いお調子者にも其々誰にも見せない裏の顔がある。どうしようもない今を陰々滅々と生きていて未来には見切りをつけている。重苦しく鬱々とした話が続くのでどんどんやるせない気持ちになる。しかし、最終話が一抹の希望を感じさせるものとなっており、スッキリとした気持で読み終わることができる。2022/12/12
mayu
64
何もない村だから周りから干渉されて噂話と陰口だけは広がるのが早い。学校の先生や村に住むティーンエンジャー達は家でも学校でも居心地が悪そうだ。村から出ることも出来ないでいつも心がざらついている。内容は衝撃的でひとりひとりが内的にいろんな事を抱え話に引き込まれた。2018/11/28
そうたそ
64
★★★★★ R-18文学賞にそもそもハズレというのはほとんどない印象なのだが、その中でもこの作品は出色の出来であった。「野口は、この村いちばんのヤリマンだ。けれど僕は、野口とセックスしたことがない」というインパクトある書き出しから始まるストーリーは大型スーパーが住民たちのライフラインとして存在し、夜には道路脇のラブホ群が町を照らすという、どこにでもありそうな田舎を舞台に、その空間に息苦しさを感じる高校生と大人の姿が描かれる。山内マリコさんとはまた違い、どこか退廃的な空間として田舎が描かれるのが印象的。2016/07/20
ゆはず@底。なんかな。
62
図書館本。連作短編集。全編に寂れた田舎町の閉塞感が満ちる。不自由な右足に囚われ続ける女子高生野口と、深夜の国道を自転車で一人滑走する田上。すだれ禿の独身教師、秀雄君と、中年太りの英語教師の妙ちゃん。そりゃ、なんのハッピーな結末もありゃしない。なのに何故、読後感にこんなにも救われるのか。終盤。「アイ・ワナ・ビー・ア・デストロイ」と超絶下手糞な歌の吹き込まれたMDに。ひとしきり笑った後、こめかみが痛くなるほど、泣く、野口。「僕の災い」「蠅」「けもの道」からの最終話「ふるさとの春はいつも少し遅い」がたまらない。2019/11/19
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