出版社内容情報
謎多き神「猿田彦」。その正体を突き止めた時、古代史の風景が一変する! 『古事記』『日本書紀』で天孫降臨を先導しながら奇怪な死を遂げた猿田彦大神。括り猿、庚申待ち、北向き蒟蒻――数多の伝承に関わるも、その正体は全く不明。博覧強記の民俗学者・小余綾俊輔の推理と論証が、千数百年も隠されてきた歴史を浮上させ、ある「血統」を巡る論争に終止符を打つ! 古代史謎解きミステリー。
内容説明
千数百年間、隠されてきた「謎の神」、驚天動地の真実!軒先の括り猿、祀られる猿田彦神、庚申堂の三猿―奈良を歩く編集者の橙子の目に、次々に「猿」が飛び込んできた。それは『記紀』で天孫降臨を先導しながら奇怪な死を遂げた「謎の神」の正体に迫る手掛りなのか?博覧強記の民俗学者・小余綾俊輔の推理と論証は、古代から現代に至るまで秘められてきた歴史を浮上させ、ある「血統」を巡る論争に終止符を打つ!
著者等紹介
高田崇史[タカダタカフミ]
1958年東京生まれ。明治薬科大卒。1998年『QED 百人一首の呪』でメフィスト賞を受賞し、作家デビュー。古代から近現代まで、該博な知識に裏付けられた歴史ミステリーを得意分野とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さつき
71
今回は猿田彦がテーマ。近所の庚申塔にも一緒に猿田彦神が祀られており、よく目にする神様ではあっても何も知らないものだなぁと思いました。昔は誰もが知っていて常識であっても言葉にはしないこと、たくさんあったのでしょうね。このシリーズは歴史の謎だけに向き合う所が好みです。無理に陰惨な殺人事件と絡めない方が面白いです。2024/04/24
オフィーリア
62
「猿」をテーマに歴史を掘り下げ、猿田彦神の秘密に迫る歴史ミステリ。歴史を掘り下げる内に皇位継承問題まで繋がる構成に驚きしかありません。 場面の大半が居酒屋でビール片手に歴史談議というロックな構成ですが、これがまた面白い。歴史には無限のミステリーが埋まっている。2024/02/10
雪紫
61
「猿に関して調べるのは止めよ。危険」。先生はまだ大学にいる時のお話。女性天皇絡みでああだこうだの中、新説披露。時代の理不尽や言葉の謎(ともたらす矛盾)も絡めて意外な説に着地していく。結局、あれ誰なのか謎に終わったけど作中の雰囲気見ると実は辿り着いているひと、それなりにいるんだろうな・・・。2024/03/17
ポチ
50
猿田彦ってやっぱり謎なんですね。読めば読むほど不思議な存在ですね。この結論にはびっくりしました。2024/01/07
るぴん
31
殺人事件が起こらないこのシリーズは、純粋に歴史談義が楽しめるので好きだ。猿田彦神と天鈿女命の話・神功皇后と武内宿禰の話は、どちらも高田さんの他作品で言及されているので大きな驚きはなかったけれど、庚申待ちから色々繋がるのは面白い。後者は今の皇室の皇位継承問題に絡めるとそういう見方もできるよなーと思った。あの時点で女系天皇になっていたとしても、国が今更それを認めるとは思えないけれど…。2024/05/13