出版社内容情報
「恋人はDNAが決めている」失恋した非モテ遺伝子研究者が、自説を証明すべく大暴走! 現役生物学者が贈る理系ラブエンタメ。
彼女をとるか、歴史的大発見をとるか。非モテ理系男子のかくも悩み深き暴走! 恋愛への興味を封じて生きる遺伝子研究者の柴山と後輩の松永。しかし柴山が恋に落ちたと知り、孤独を深めた松永は「恋人は外見や能力とは関係なくDNAが決定する」との仮説にとり憑かれ、失踪。独断で研究を進めるが、遺伝子的に結ばれるはずのない女子に魅かれ始めて……現役生物学者が贈るマッドでキュートな理系ラブエンタメ。
内容説明
コンプレックスとトラウマを抱え、恋愛を諦めていた遺伝子研究者の柴山と部下の松永。しかし柴山が恋に落ちたと知りショックを受けた松永は、ある仮説にとり憑かれ、失踪する。「愛は存在しない。恋人はDNAが決定している」。だが、単独で研究を進める彼の前に一人の女子学生が現れ…現役生物学者が描く、マッドでスウィートな理系ラブエンタメ。
著者等紹介
松尾佑一[マツオユウイチ]
1979年大阪生まれ。大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。現在、国立大学で研究教育職に従事。専門は生物学、遺伝子工学。2009年『鳩とクラウジウスの原理』で第1回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九月猫
30
選択する何もかもは遺伝子が決定している。結ばれる相手までも――という運命遺伝子理論が作品の中で展開される。一卵性双生児の外見以外でも見られる相似性を絡めたり、運命遺伝子理論による恋愛遺伝子の存在に取りつかれた松永の実験や仮説も興味深く面白かった。遺伝子的に相性ピッタリのふたりと、確率0%のふたり。ロマンティックな恋愛モノにできそうなのに、研究者の視点で淡々と、時にマッドに描く。ラストがキュートでした♪ ただ、ひとつ気になったのが、松永の仮説を守るための行動。相手の好意を前提にしているのが疑問。2015/07/21
coco夏ko10角
28
松永研究員の不器用っぷりと暴走が楽しい。ラストよかった。2016/08/20
よっち
22
遺伝子研究者で女性に縁のない柴山と松永。しかし柴山がオノダハルカという女性と恋に落ちたと知り「恋人はDNAが決定する」という仮説にとり憑かれ、独断で実験に邁進してゆく物語。遺伝子レベルで高い確率で恋に落ちる関係と判定され、それでいいのかと逡巡する柴山、一卵性双生児研究のため行動するオノダハルカの思惑も絡んで、物語の雲行きもだんだん怪しくなっていきましたが、終盤は結構急展開ながらも、何となく納得できる結末だったかなと。理系研究者の発想はこんな感じにわりと独特だったりするのかなとか、ちょっと思ったりしました。2015/08/13
*mayu*
16
遺伝子学者の松永と柴山。恋に縁遠い似た者同士の2人だが、柴山がある女性に恋に落ちたことにより、松永の暴走が始まる…!!人の全ての行動は、人を愛することは全て遺伝子に組み込まれている。という仮説に囚われ暴走する松永が最早恐怖といっても過言ではない(笑)頭が良くても自分に自信がないとこうなっちゃうか〜なんて苦笑いしつつ、結末は上手く纏まっていてひと安心。理系要素が多いので若干読みにくい部分はありつつも楽しめました!カスヤさんの表紙もマッチしてて◎2016/01/14
miu
13
なるほど!こういうことか。運命は全て遺伝子のなかに。なにをするか、なにを考えるか、誰を好きになるのか。容姿が醜く屈折している松永さんの行動には、ついついツッコミたくなったけれど、ラストは微笑ましい。ホッとしちゃった。読みながら思い出したのは『オペラ座の怪人』?!2015/09/03