出版社内容情報
欲望、猜疑、諦め。私も患っているのか、主婦という病を。こじらせもがく女達の日常を描く連作集。第12回R-18文学賞読者賞。
欲望、猜疑、諦め、嫉妬……私も患っているのだろうか、〈主婦〉という病を。部下の男との情事の最中に倒れた夫、その裏切りを受け止め切れない妻。自分には無関心な夫の知らない世界に飛び立とうと、テレクラのバイトで金を貯める主婦。願った子供が授からなかったために、好きな夫と距離を取ってしまう妻――揺れる関係に悩み、こじらせ、もがく女達を描く、第12回R-18文学賞読者賞を含む連作短編集。
内容説明
欲望、猜疑、嫉妬、そして諦め―揺れる関係に悩み、こじらせ、もがく女たちを活写する連作集。第12回R‐18文学賞読者賞受賞。
著者等紹介
森美樹[モリミキ]
1970年埼玉県生まれ。1995年講談社より少女小説家としてデビュー。恋愛小説を7冊刊行するも休筆。2013年、5年ぶりに執筆した「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で、第12回『R‐18文学賞』読者賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
79
主婦病…初めて耳にする言葉だった。主婦って孤独なのかな。孤独の点から言えば私も主婦病かもしれない。それは、いくら友達でも身内でも本当の心の中の悩みは話すことができないからだ。いくら仲が良くても。この中に出てくる欲望や猜疑、嫉妬とは無縁な悩みでも、どこか諦めてるところはある。人に対しても自分に対しても。もがくことは大切だと思う。囚われた網に穴があけば違う世界を味わうこともできるかもしれないから。あー、こんな主婦もいるのか。主婦は性別ではないと思う。役割っていうのかな。だから自分に正直な人ほど罹りやすいのか?2016/12/20
misa*
74
初の作家さん。金髪の男性を中心に描かれた短編でした。様々な主婦が登場するけれど、みんな今ある日常に何かしらの不満があって、それを外に求めていくような内容。想像してた感じの本ではなかったから残念な読了感。でもなかには、分からなくもないなぁと思う夫婦仲もあったり…。でももっと現実は、主婦って楽しいし自分次第で見方が変わると思うのになぁ。幸せと思えるものを増やすのも減らすのもね。2016/02/09
Satomi
68
主人公はどこにいでもいる主婦たち。夫が同性愛者だったり、子供ができなかったり、親の言いなりだったり…。それぞれの話しに必ず登場するする金髪の青年が繋ぐ連作短編。「主婦病」どんな病かと…??虚しさや嫉妬、淋しさに欲望といった心の奥で蠢く誰もが持つ表には出したくない想い。ドロドロしたイヤミスになりそうな話しばかりだが.物足りなさだけが残る。読後に想像力をたくましくしてスッキリしない部分を補う…にしても何かが足らない。私は欲張り病という主婦病の一種を患っているのかも…笑2016/06/22
キムチ
54
R-18もたまにいいかぁ~と思って軽く手にしたもんだから、そうだったのか・・・「退廃、虚無」のエアポケットに迷い込んだ、いや猜疑と欲望のラビリンス(そんな綺麗なもんでもないけど)で足跡を見失ったか・・いやな読後。かといって嫌ミスでもなく、筆者はそういった中途な想いで蠢く読み手をせせら笑っている感も抱いた。辻草汰、この名前も然り、他に出てくる少女の名も然り、なんか一味違う。勿論『金髪』というインパクトを与えるからして随所に登場すると嫌が迄にもイメージは独り歩き。どの章も短編ながら緩やかに連なり同一の香り。2015/12/15
barabara
48
もっとパート勤めに疲れ果てている主婦とか、夫との不満が溜まりまくっている主婦の話かと想像していたら、どこか退廃的な女性ばかりでフワフワとした話ばかり。夫の性癖がアブノーマルの設定多し。それなりの色はあるが、私の好みではないかも。2015/04/18