出版社内容情報
巨大楼閣に君臨するという伊武。精緻極まる歯車を匂い立つ肌の下に秘めた彼女を追う、幕府配下の機巧師。エロス薫る連作長篇小説。
あの婀娜な身体が、秘術を尽した機巧だとでも!? ドンデン連発の格ミステリー! 十三層の巨大楼閣に君臨するという噂の遊女・伊武。千年の秘術を求めて彼女を追う幕府配下の機巧師・釘宮久蔵。遷宮と幕府転覆計画の帰趨を見定めつつ、目も綾な衣裳の下匂い立つ肌の奥で回転を続ける、精緻な歯車の心臓部へと探索は進んでゆく――。連載当初から話題をさらった、エロスの薫る長篇時代ミステリー小説!
内容説明
俺の指先が、いつ機械仕掛けの人形に魂を吹き込んだのだろう。或いはあの瞬間、生身の女とすり替わったとでも!?ともかくこの色香、ただごとではない!―十三層の大楼閣に君臨するという噂の遊女・伊武。カラクリ千年の秘術を求めて彼女を追う、幕府配下の機巧師・久蔵。遷宮と幕府転覆計画が絡み合う中、魂の歯車たちが狂乱する!異形の本格ミステリー。
著者等紹介
乾緑郎[イヌイロクロウ]
1971年、東京生まれ。2010年、『完全なる首長竜の日』で「このミステリーがすごい!」大賞を、『忍び外伝』で朝日時代小説大賞を受賞、プロの鍼灸師でもありその知見を生かした作品もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
127
第1話を読み終えて「こりゃあ、すげえ!」と声が出た!お気に入りさんのお陰で出会えた本。江戸時代の日本を思わせる異世界で、人間と寸分たがわぬ行動をする機巧人形。ロボットに心は宿るのか、というSFの命題が時代物の設定と絶妙に融合している。この機巧人形たちが起動を始めるキーポイントがまた人間的で、思わずニヤリ。どうか天徳が人間の姿を取り戻して、伊武を喜ばせて欲しいものだね。2015/06/27
starbro
124
艶めかしく怪しい機巧人形イヴの世界感は結構好みです。イヴのリアルなフィギュアは見てみたい気がします。幕末とか日本とかの現実性を盛り込ず、もう少し物語が感じられるとより良かったかな。2014/12/14
harass
90
からくりが発達した、パラレルワールドの江戸時代の幕府精練方手伝釘宮久蔵と機巧人形オートマタ伊武を中心とした五篇の連作短篇集。時代物風に始まるがところどころに異質な言葉がでて、興味をひき、特異な世界観が次第にわかってくる。この作家の前作にもあった、心とは何かのテーマは変わらず。映像的な描写もあり読みやすい。勝手に思うに、この作家は短編のほうが良いのではと。続編もある様子。おすすめ。2020/03/23
山田太郎
83
後になるほどなんか話がややこしくなる気がするが。けっこうドンデン返しが効いていて面白かった。最後は直すの難しいとかなんとか言ってた割に最初のやつは簡単に作ってなかったっけ?2015/05/19
aquamarine
73
江戸時代風の世界で精密に作成された機巧(オートマタ)の女。ヒトとモノとの境界はなんなのか…。特殊設定の世界がしっくりと馴染み惹きこまれて読み進めました。分類としてはSFのような気がしますが、一話目はミステリとしても凄く良くできていて、ラストもとても綺麗です。その後は登場人物たちの過去やその後に触れながら連作の形になっていて、最終話のラストは一話目のラストとは違った意味で安心して読み終えられました。ちょっとしたラブストーリーでもありますね。内容も印象深く長く残りそうです。楽しみました。2015/04/07
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