出版社内容情報
心に傷を持ち、人生に疲れた人々が集い再生を期す「いやしの村」。穏やかに見えるその集団だが、ネット上には不穏な噂が溢れていた。
内容説明
信じていた相手に裏切られ、傷付いた人々が集う「いやしの村」。再起を期して集団生活を営む人々の姿は、慎ましく穏やかにしか見えない。しかしネット上には、「呪いで人を殺すカルト集団」という根強い噂があった。その真偽を探るべく、ルポライターが潜入取材を試みるのだが…。「幾重もの仕掛け」が明かされたとき、ようやくその真実を現す「いやしの村」。二度読み必至!「禁止」ファンの期待は、決して裏切りません!
著者等紹介
長江俊和[ナガエトシカズ]
1966年、大阪生まれ。映像作家、小説家。2003年に第一回が放送された「放送禁止」シリーズは、不定期な深夜番組ながら、熱狂的なファンを獲得。その後、テレビ版七本、劇場版三本が製作され、「放送禁止」ブランドとして確立した。また、2002年には『ゴーストシステム』で小説家としてもデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
191
まあ面白いか面白くないかで言えば、どちらかと言えば面白い方なんだろう。いやしの村、なる怪しげなコミュニティに潜伏しつつ記されたというルポルタージュの体裁を装ったこの本。読んでて1ヶ所、明らかに変に話をはしょってると気になる所があり、後にそこには重大な隠し事がありまして、みたいな判りやすい騙し方をされて何じゃそれって思ってですね。それでまあ、本全体の体裁というか、構成の理由が意味不明。前書きが1番最後で何じゃこれ。ストーリーはどちらかと言えば面白いんですけども、何でこんな自己満的な作りなんかなって。嫌です。2024/09/28
ちょろこ
136
仕掛けがわからん一冊。久々の禁止シリーズ。面白かったけれどやっぱり今作も仕掛けがわからなかった。というのも、ルポ形式でどんどん読めてしまう、読み手を引きずり込んでいく構成だから、気づかないままラストまでさらわれた気分。そしてやっと一つ明かされ、あぁ、そういうことか…と。そして案の定、ネタバレ考察サイトを訪問。かなりの仕掛けがありそうなことが判明。もしかしたらまだ誰も気づかないとんでもない爆弾仕掛けもあったりして。何はともあれこのストーリー展開は好み。ミステリのような驚きと楽しさを味わえたから満足。2021/12/15
machi☺︎︎゛
123
絶対普通に読み終わることはないとは分かってた。分かってたけど、想像のだいぶ上をいった結果だった。そしてまたネタバレサイトにお世話になって新たな事実を知ってパラパラ再読。そんなん初めから分かるはずない!2022/07/24
モルク
123
裏切られたり心が傷ついた人が集う奈良県の山間にある「いやしの村」代表キノミヤを中心として慎ましく生活し、傷が癒えると社会に戻っていく。しかしそこには呪いで人を殺すとカルトであるという噂も絶えなかった。その真偽を確かめるためルポライターが取材に入る。穏やかでいい人たちばかりというのは胡散臭い。時系列やその仕掛けにまんまとはまり、前に戻って読み返さなければなかなか理解できなかった。最初の著者による「おことわり」、これがいちばんわからない。2022/01/13
いっち
112
なぜ、出版禁止なのか。本作は、「放送禁止」シリーズの監督の作品。「放送禁止」は、放送禁止になった映像を再編集したという設定の、フィクション。『出版禁止』に当てはめると、出版禁止になった文章を再編集したという設定の、フィクションである。なぜ出版禁止になったのか、どの部分で出版禁止になったのか、気になった。『いやしの村滞在記』は、「取材者自らが自費で出版した、いわゆる私家本」で、「外部への持ち出しは固く禁じられていた」。出版禁止ではなく、持ち出し禁止。持ち出し禁止の文章が再編集されて出版された。難解な謎解き。2023/09/16