出版社内容情報
完全に奴隷の状態に身を委ねなければ見えない世界が見たい――マゾヒズムの快楽に耽溺せずにはいられない男たちを精細に描く異色作。
完全に奴隷の状態にならなければ見えてこない世界を見たい! SMクラブの女王様とのプレイを重ねるうちに、究極の快楽を求めるようになった男が見たものは何か? 表題作のほか、アナウンススクールの講師と生徒、奴隷と女王様、ふたつの世界が織りなす奇妙な交錯を描く「トーキョーの調教」。マゾヒズムの快楽に耽?せずにはいられない男たちを描く中編二作を収める禁断の異色小説集。
内容説明
完全に奴隷の状態にならなければ見えてこない世界を見たい―クラブの女王様とのプレイを重ねるうちに、究極の快楽を求めるようになった証券マンが見たものとは?表題作のほか、アナウンススクールの講師と生徒、奴隷と女王様、ふたつの世界が織りなす奇妙な交錯を描く「トーキョーの調教」を収録。
著者等紹介
羽田圭介[ハダケイスケ]
1985年東京生まれ。明治大学商学部卒。2003年「黒冷水」で文藝賞を受賞。2008年「走ル」、2010年「ミート・ザ・ビート」、2014年「メタモルフォシス」で芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
155
いやぁ〜、かなりキョーレツな作品でした。とにかくSとMの世界をこれでもかとたたみこんでくる作風は、ちょっと他には記憶にないですね。2話収められていますが、それぞれの話での主人公のマゾヒズムっぷりが、ハンパないです。読んでいて何度も本を閉じそうになるくらい、なかなか描写がヘヴィです。作者さんも取材とか本当に大変だっただろうなぁと思えてしまうぐらい、リアルな描写でした。とても万人にはオススメできそうもない作品なので、本当に勇気?のある方にチャレンジしていただけたらと思います。表題作が特にしんどかったかなと。2018/12/16
ケイ
98
内容を知らずに読み始めたので、最初の数十ページはこれがどこかにつながるのかと真剣に読んでいたら、気持ち悪くなってきた。文字通り、気分が悪くなった。SMの描写が酷すぎて、途中からそのあたりを流し読みにした。そのせいか、結局なにがいいたいのか分からないまま読了。SM描写が苦手な方は、読まない方がいいと思います。2015/09/08
優希
97
かなりディープなSMの世界が描かれていました。かなり衝撃的でありながら、究極の奴隷になれたときに得られる快楽が伝わってきました。マゾヒズムをさらけ出し、その世界に耽溺する姿はまるで禁断の果実をかじったようでした。性欲を超えた被虐の果てのグロテスクさの裏には自分の欲望を満たそうと必死でもがく姿が透けて見えます。エロティックなマゾヒズムを赤裸々に描いているので、禁じられた純文学という感じでした。2015/10/03
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
89
中編二作を収録。 帯には 「マゾヒズムの快楽に耽溺せずにはいられない 男たちを描く」とある。 芥川賞候補作の『メタモルフォシス』評価☆1.5 「トーキョーの調教」評価☆4.02021/04/11
巨峰
84
「メタモルフォルシス」マゾをこじらせすぎた男の話。とことん振り切った感じ。振り切りすぎて僕でさえ読むのが辛かった。(冒頭のハローキティだかミッキーだかの刺青をした奴隷の話は、昔聞いたことがある。あの界隈の都市伝説。)それにしてもこんな性奴隷はいらんわー。与える側の想定の範囲外のことを勝手にして危機におちいってるのだもの。「トーキョーの調教」はマゾに入りかけた男子アナウンサーの話。これは面白かった。表の顔と裏の顔、与える者と与えられる者がつんぐほぐれつに入れ替わってスリルがあった。(コメントに続く)2015/08/11