出版社内容情報
会った人も起こった殺人も忘れさせる記憶消去薬「レーテ」。外部との接触が断たれた謎の実験施設ではいったい何が起こっているのか?
ここは、どこ? どうして、私はここにいるの? ――「レーテ」。それは、何? 会った人、食べた物、殺人。「昨日」のすべてを忘れさせる記憶消去薬「レーテ」。実用化に向けて最後の実験が、開発者指揮のもと始まった。だが、集められた被験者たちは、ひとりまたひとりと……。スパイ、殺し屋、天才科学者。交錯する意図。その施設では、いったい何が起こっているのか? クローズド・サークル・サスペンス!
内容説明
最後の実験。閉鎖施設での7日間。話した人、食べた物、起こった殺人。「昨日」のすべてが、毎日消える。いま実験中。ということすら忘れさせる記憶消却薬「レーテ」。
著者等紹介
法条遥[ホウジョウハルカ]
1982年静岡県生まれ。2010年、第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作『バイロケーション』(「同時両所存在に見るゾンビ的哲学考」を改題)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
92
記憶消去薬「レーテ」その臨床実験の7日間。今、実験中という事すら忘れて、毎朝目覚める被験者たち。毎日同じやり取りの繰り返し、が、小さな違和感、あれ、あれれ?なんだか変なんだが、よくわからない…ともやもやするうちに最終章で明らかになる真実!これが実験の真の目的だったのか!と第1日目と冒頭の「エピローグ」を読み返した。今までの法条作品で1番、腑に落ちたが、この殺伐とした読後感にぞっとする。2015/06/16
とも
39
★★★Reシリーズで圧倒され、法条遥が一機にお気に入りになり、当作品をそのまま読み始める。前作がヘビーで複雑だったのを期待したためか、当作品はシンプルすぎて残念。ネタは単純で逆さから読めば分かるのであろうが、それをする気にもならなかったのは、結局はそれほどに期待値に乗っかってなかった事の理由か。2017/11/13
tetsu
30
★2 読みにくかった。途中で挫折しそうになったが、最後まで読んでトリックが分かりなるほどと納得。アイデアは秀逸なのに小説としてはちょっと、という印象で残念。西澤保彦の「七回死んだ男」を思い出したがそちらの方が圧倒的に面白い。2015/07/17
よっち
30
昨日のすべてを忘れさせる記憶消去薬「レーテ」。両親を事故で亡くした唯が、実用化に向け最後の実験に被験者として参加するお話。7日間の実験に集められた7人の被験者、繰り返される似たような、それでいて少しずつ異なっていく毎日。薬そのものの効果を試すことと、トラウマを抱えている唯がこの経験を重ねていくことが重要なポイントと思いましたが、なるほどなあとか、そこまでするのかとは思ったものの、重ねていった結果として迎えた結末はさほど驚くようなものではなかったですね。やはり読み直さないと分からない部分がありました(苦笑)2014/08/25
あっちゃん
26
記憶消去薬の臨床実験に参加した女性、隔離された施設に集められた被験者達の怪しさと、繰り返しの中での事件と主人公のトラウマが相まって、倦怠感と混乱が漂う作品!2014/11/09
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