出版社内容情報
セックスレス、アル中、母にならないこと――すべてが剥がれ落ちた果ての、欲望の正体とは。第10回R-18文学賞大賞受賞作。
欲望に蓋をして生きていくつもりだった。けれど――。第10回R-18文学賞大賞受賞作。アルコール依存から脱することのみを目的に生きる女。「きみとはもうセックスしたくない」と夫から宣言された女。母になるか否かを考え続ける女。もっと愛したい、もっともっと愛されたい、なのに――40代を漂う彼女たちが見つけた、すべて剥がれ落ちた果ての欲望の正体とは。女の危うさと哀しみを迫力の筆致であぶり出した、連作短編集。
内容説明
「もうセックスはしたくない」と夫から宣言された女。母になるか否かを考え続ける女。アルコール依存から脱することのみを目的に生きる女。ほんとうはもっと愛したい、もっともっと愛されたい、なのに―。すべて剥がれ落ちた果てに、彼女たちが見つけた欲望の正体とは。生きることの危うさと悦びを、迫力の筆致であぶり出す。第10回R‐18文学賞大賞受賞作。
著者等紹介
田中兆子[タナカチョウコ]
1964年富山県生まれ。8年間のOL生活を経て、現在は専業主婦。短編「べしみ」で、第10回「女による女のためのR‐18文学賞」の大賞を受賞する。『甘いお菓子は食べません』がデビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
188
とても良かったです☆R-18文学大賞受賞なのとタイトルと表紙を見て気になっていました!フラウ文芸大賞新人賞も受賞作。山本文緒さんがデビュー作にして大傑作ですと帯で書かれていますが納得です!赤裸々に40代女性の事が描かれています。6編の短編集。うち3編書き下ろし。セックスレス、アルコール依存、失業など色々ありますが読後感いいです!R-18文学賞受賞作の「べしみ」は一番インパクトありました!スゴイ発想で面白かったです☆デビュー作とは本当に思えないです!次回作も読みたいな♪R-18出身の方は要チェックですね★2014/09/24
なゆ
164
とても読みたかった田中兆子さん。40代女性の欲望がこれでもかこれでもかと赤裸々に描かれる。6つの話が人物でつながっている。ヘンな湿っぽさはなく、さらりしているのがいい感じ。夫にセックスレス宣言される妻の決断、未婚で親兄弟もなくリストラされた49歳のこれから、アルコール依存からの断酒の苦しみなどなど。悩んだり苦しんだりの話が多い中、「結婚について私たちが…」はラストの幸せな感じが好き。結婚に踏み切る〝何か〟について、3人の女たちの本音が語られてて面白い。表紙の肉食系乙女な装画がぴったり!驚くべきデビュー作。2014/06/17
ネギっ子gen
130
6編の40代女性たちの連作短編だが、話のつながり具合が面白かった。特に5話から6話へは、どの人物が?と思っていたら「パティ&ジミー」と。やりますねぇ。その6話は、R-18文学賞大賞受賞作。冒頭は、『yom yom pocket』に書いた「結婚について私たちが語ること、語らないこと」。続いて、書き下ろしの「花車」と「母にならなくてもいい」。4話が『yom yom pocket』に書いた「残欠」で、5話が、書き下ろしの「熊沢亜理紗、公園でへらべったくなってみました」。この構成とタイトル名がいいなぁ~。って。⇒2022/07/20
nico🐬波待ち中
124
世の中はそんなに甘くない、とつくづく思い知らされた。なぜアラフォー・アラフィフ世代の女性達はこんなにも生きにくいのだろう。結婚・子供・老い・再就職等々"もう若くない"女性の前に立ちはだかる壁は大きく厚く、途方に暮れるばかりで、同世代の身としてはとても身につまされた。特に『残欠』がとても印象深い。人生の甘いお菓子は食べない、と自ら決めた彼女達。背筋をのばし颯爽と歩く彼女達に、同世代の女として心からエールを送りたい。どの短編も終わり方が希望の持てるもので良かった。女性として心に刺さり、共感する文章も多かった。2020/11/01
yuyu
101
初読みの作家さん。同郷ということで友達から紹介された作品。保守的など田舎出身でこんな作品が描けるのかぁ!と変な風に感心してしまった。アフォー世代の女性達の連作短編集。アルコール依存性やセックスレスなどかなり重いテーマも違和感なくサラッと入ってくる。不快感もない。筆力があるのか、私に合っているのか。誰しも大なり小なり問題を抱えてて生きている。自分も頑張らないと!と思わせてくれた。「花車」と「残欠」が特によかった。他の作品も読んでみたい。2018/06/21
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