出版社内容情報
うんこから神が生まれる『古事記』以来、日本の古典はうんこの話にあふれている。うんこを通じて日本文化の深淵に迫る抱腹エッセイ。
内容説明
うんこから神が生まれる『古事記』『日本書紀』以来、日本の古典はうんこあふれている!?笑撃のパワーをもつうんこを通じて日本文化の深淵に迫る抱腹エッセイ。
目次
第1章 古代のうんこ うんこの破壊力と創造力(うんこ中に神に魅入られた美女―祭祀施設とトイレの関係;「うんこ王」と国作り―うんこ=土を制する者が国を制す ほか)
第2章 王朝のうんこ―仏教思想との関係(王朝文学にはなぜうんこ話が多いのか―浄土教の影響;侍のメイン業務はトイレ掃除―うんこまみれだった平安京 ほか)
第3章 中世~近世のうんこ トイレは異界への入り口(「トイレの怪談」のルーツ―怪異と禁忌の系譜;おならの罪―おならで村が全滅、上皇が作った「おなら絵巻」 ほか)
第4章 近世のうんこ 経済や心との関係(カネになるうんこ―江戸のリサイクル事情、女の立ち小便;「糞食らえ」のルーツ―悪口で、挨拶で、まじない ほか)
著者等紹介
大塚ひかり[オオツカヒカリ]
1961年横浜市生まれ。古典エッセイスト。早稲田大学第一文学部日本史学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
82
うんこ💩で古典を読み解くというなんかトンデモ本の匂いがするが、これはこれで日本人とうんこの関係を見つめる貴重な本だった。うんこから神が生まれる「古事記」「日本書紀」、「万葉集」の糞の歌、「落窪物語」のスカトロ趣味、等々。生きるということは出すことだったのだ。神々しかったうんこも、やがて滑稽なものや嫌悪するものになっていく。その変遷を見つめる巻末の年表の最後は「男はつらいよ」ってのは笑える。「けっこう毛だらけ 猫灰だらけ お尻のまわりはくそだらけ」結構な本でした。 2021/11/08
鱒子
76
図書館本 うんこにまつわる古典を抜粋し解説。古典うんこのトリックスター平中、三方原の家康、高天原でのスサノオといった有名どころも出てきます。うんこ以外のシモのはなし(おしっこ、おなら(そこから男色にも言及))も満載で、知的ながら破壊力抜群の本です。2021/11/18
ようはん
18
書いてある内容はバカバカしいタイトル通りに糞尿ばかりの不潔な話ではあるが、一応は真面目に語っている面は多い(いくらか引くのもあったが)。 2023/02/17
Makoto Yamamoto
17
著者独特の視点で、うんこにまつわる話を古典から抜粋して解説してくれている。 三方ヶ原の戦いで家康の話も当然載っていて、取りつきは面白かったが、途中からうんうんと頷きながらも、ついていけない気持ちになってしまった。 2021/11/22
mawaji
12
タイトルを見て手に取らざるを得ませんでした。湯澤規子著「ウンコはどこから来て、どこへ行くのか」に勝るとも劣らないくらいの回数の「うんこ」を連呼しつつ、膨大な資料の裏付けのもとに紐解かれる「古典文学に描かれるうんこの重み」に対する考察は圧巻。田舎の母屋はトイレが離れた場所にあり、子どもの頃からトイレは魔物と出会う場所というイメージが還暦を過ぎたいまでも拭いきれません。今度帰省した折には「がんばり入道ほととぎす」と唱えよう。「うんこの脅威とは、実は人間そのものの脅威なのだ」日本タイトルだけ大賞いけるでしょう。2021/05/29