万葉恋づくし

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 273p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103345336
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

身も心も焦がす恋、すれ違う恋、忍ぶ恋、ひそやかな片恋。大伴家持、紀女郎ら万葉の名歌に秘められた人間模様を描く連作短編小説集。我知らず、恋の奴(やっこ)―奴隷―になってしまった万葉の名歌に秘められたドラマ。いつかは都へ帰る人――。赴任先の現地妻を自認していた遊行女婦が、かりそめの恋の終わりに流した涙。若き日の穂積皇子と異母妹・但馬皇女との伝説の許されざる恋。そして万葉集の編纂者・大伴家持が自らうたった、ひと回り以上年上の紀女郎への募る思い。身も心も焦がす恋を描く連作短編小説集。

梓澤 要[アズサワ カナメ]

内容説明

『荒仏師 運慶』『捨ててこそ 空也』の著者が紡ぐ連作短編小説集。

著者等紹介

梓澤要[アズサワカナメ]
1953年静岡県生まれ。明治大学文学部卒業。1993年、『喜娘』で第18回歴史文学賞を受賞しデビュー。歴史に対する確かな目線と骨太のドラマを織り込んだ作風で着実な評価を得てきた。作品執筆の傍ら、2007年から東洋大学大学院で仏教学を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

51
万葉集の歌を題材にふくらませた短編七編。やはり家持の出番が多く、接する人や時期により色んな表情を見せるのが面白かったです。家持の弟、書持は植物を愛する優しい、儚い人。兄を案じる気持ちを詠んだ歌が心に残ります。藤原四兄弟の末弟、麻呂は上三人に比べると存在感がないと思ってましたが、この作品の中では異彩を放ってました。2017/06/19

万葉語り

42
家持を中心として編纂された万葉集の歌を手掛かりにした短編7編。4500首の歌に込められた物語が動き出す。作者が特にお気に入りなのは家持の弟の書持。病弱で出仕はしなかったが庭園管理をさせたら玄人芸。草食男子のはずなのに随分もてている。一番好きな歌は穂積皇子の「家にある 櫃に鉤さし 蔵めてし 恋の奴が つかみかかりて」だった。これは図書館で借りたけど買います。2017-332017/03/07

星落秋風五丈原

36
以前刊行された短編を含め大友家持を中心とした短編集に。万葉集はおおらかな庶民の愛情表現が多くおさめられておりそれにインスパイアされた作品が並ぶ。2017/02/18

森の三時

32
万葉集の歌を題材に綴る7編。平安時代の恋の歌は熟考しながら技巧をちりばめたり、相手をうっとりさせるようなものが比較的多いと思いますが、万葉集の恋の歌は、即興的でストレートに会話しているようなリズムを感じます。男女が歌を用いて丁々発止やりあうところが、面白いところです(個人的には女性の方が強い印象)。さて、本作では、大伴書持、大伴田主、藤原麻呂など、あまり有名でない人物(すみません)のお話にとても惹かれました。歌は残りますから、忘れたくない恋の気持ちを歌に詠めたら素敵でしょうね。2017/08/17

ソババッケ

22
7つの短編集。キーとなるのは大伴家、家持はもちろん弟の書持、父の旅人、祖父の安麻呂、叔母の坂上郎女などを登場させる。大伴家の人々や関連のある貴家の人々の恋物語を万葉集歌に絡めて描く。物語によって時代があちこち飛ぶのには閉口するが、その時の事件の裏側の人間模様を描いてみせる。自分の作った歌を大事に残しておく、または人に披露するといった文化は面白い。歌そのものに2重、3重の意味を重ねたりと、当時の貴人はすごいな。最初の「紅はかくこそ」は家持の越中国司時代の話で、高岡市や二上山などを懐かしく思い出した。★3.52017/04/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11446489
  • ご注意事項