流水浮木―最後の太刀

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103342311
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

老いてなお、命を懸けねばならぬ時が、この世にはある……。殺された友、謎の隠密御用。江戸の闇に武士の誇りを刻む本格時代小説。

老いてなお、命を懸けねばならぬ時がある。侍の誇りを刻む本格時代小説誕生。幼馴染が殺された。伊賀を知らぬ伊賀者だった。大金を手に死んだ友に何があったのか。探るほどに見えてくる裏の隠密御用、伊賀衆再興の企て、危険な火縄の匂い。そしてまた一人旧友が斬殺された。サツキ栽培で活計を立てながらも、一刀流「浮き木」の極意を身に秘めた老練の武士が、友の無念をはらすべく、江戸の闇に鯉口を切る!

内容説明

幼馴染が殺された。伊賀を知らぬ伊賀者だった。大金を手に死んだ友に、何があったのか。探るほどに見えてくる裏の隠密御用、伊賀衆再興の企て、謎の軽業師、匂いたつ女。そしてまた一人、旧友が斬殺された…。夏の風に危険な火縄の臭いが漂うとき、一刀流「浮き木」の極意を身に秘めた老練の武士が、江戸の闇に鯉口を切る!成熟した時代にあってなお、懸命にもがき生きる人々を描く傑作時代小説。

著者等紹介

青山文平[アオヤマブンペイ]
1948年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。経済関係の出版社に18年勤務したのち、フリーライターとなる。2011年、『白樫の樹の下で』で第18回松本清張賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

54
玄人受けのする青山氏の文体。ちょい嵌まる。江戸期半ばと思われる内藤新宿。表向きは老年の好々爺である晋平。一人娘知瀬、婿平太との関わりの暮らし。ふと父の教えが伊賀とは?が頭をよぎる。安泰時では求められない隠密、お庭衆。だが降ってわいた盟友の不慮死は彼の矜持に火を点ける。流水浮木~相手方の力を使い 向こうの上太刀をとる。眠って切るような静寂の一瞬。作自体、緩慢な流れが続き冗漫とみる向きも多いかも。私的にはいぶし銀の様な玄人技の文の流れや語彙の多用が麻薬の様に痺れさせる。土用蜆佃煮、辛み大根蕎麦がめちゃ、欲しい2023/09/19

みっちゃん

48
殆ど時代小説は読まない私ですが【白樫の樹の下で】に感銘を受けて以来、この作者の本は読んでいます。勧善懲悪に終わらず、主人公が超人的なヒーローではない所、苦しい暮らしの中で、先祖から受け継いだ武士の誇りをどう全うするのか葛藤する所等に惹かれるのだと思います。今作も老いてなお、幼なじみの為に走る晋作は魅力的でしたが、半四郎、征士郎の個性的な登場人物がフェードアウトしてしまったのが残念でした。余談ですが、食事の場面がどれも美味しそうでした。明日はお蕎麦が食べたいです(笑)2013/08/06

そうたそ

26
★★☆☆☆ 青山さんの作品を読むのは二作目。前に読んだ作品と同様であったのは、本来スポットライトの当たらない立場にある人物が、突如そういう場面に立つ時が来るという作品の構図。文章力はあると思うんだけれど、回りくどい書き方をしているせいか、どうにも頭に入ってこない。ストーリーも個人的には好みでないし、どうも時代物としては凡庸な内容に思えてしまう。もっと著者にしか書き得ないような時代物を模索すべきだと思うけどなあ……。最近刊行された作品は未読なので一概には言えないが。途中からは流し読みでした。2015/01/15

007

12
★★★☆☆ 全体的にお地味な感じではあったけれど悪くないです。「伊賀者」に関して私の知識が薄いので(真っ先に思い浮かぶのが、忍者ハットリくんだったりして・・・情けないレベル)伊賀衆のこだわりがいまいちピンとこなかった。そのあたりもう少し作品から迫ってくるものがあれば尚良かったと思う。2013/07/11

としえ

11
徳川の世になり百七十余年。家康に重宝された伊賀者も今は隠密稼業を他家に奪われ、鉄砲組として細々と暮らしている。祖父の代からサツキの栽培で生計を補っている伊賀同心の晋平が、幼なじみの死をきっかけに事件に巻き込まれていく。副題から勝手に剣豪小説と思っていたが、主人公が六十二歳という年齢のせいか、息つまるような死闘や派手な立ち回りもなくのんびりしたような空気が漂うまま話が進む。こういう雰囲気嫌いではないが、活躍してくれそうな人物があっさりいなくなってしまったり、暗殺を企む人物の扱いが雑だったりしたあたりは残念。2014/09/07

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