出版社内容情報
体と心が触れあった痕跡を遺すために。日常に潜む死の影を意識しながら私たちは生きているのかもしれない。痛くて優しい連作小説。
きれいに洗っても、忘れようとしても、まだ残っているもの。それで、人生は満ちている――。結婚直前の不実も、不倫も、自分の体を傷つけてしまうのも、ここにずっといて欲しいとうまく言えないのも、ぜんぶ同じ。怖いから。抗いたいから。体と心が触れあった痕跡を遺すことだけが、私たちの唯一の寄る辺なのです――言葉にしたら消えてしまうかもしれない感情の奥底まで踏み込んで描ききった、痛くて優しい連作小説。
内容説明
きれいに洗っても、まだ、残っているもの。それで人生は満ちている―あがき続ける男と女の痛くて優しい物語。
著者等紹介
千早茜[チハヤアカネ]
1979年北海道生まれ。立命館大学卒業。幼少期をザンビアで過ごす。2008年、第21回小説すばる新人賞を受賞した『魚神』(集英社)でデビュー。2009年、同作にて第37回泉鏡花賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
261
ビルから飛び降り自殺した男の気配が、ひとつひとつの物語を繋いでいる。もやもやを抱えながら閉塞した日常を生きるそれぞれの物語に、忍び込んでくる何か取り返しがつかないようなもの。結婚直前に浮気する女、妻の異変に気付かない夫、不倫する妻、体を傷つけることでしか愛を信じられない少女、はっきりしない青年、寂しさを恋人に打ち明けられない女。逃げても逃げても、生きている限りは逃れられない苦悩。今は誰にも打ち明けられない涙を流していたとしても、生きた「あとかた」を刻みながら生きていく。静かな力強さのある連作短篇集。2014/02/22
おしゃべりメガネ
198
ある程度の予感はしてましたが、やはりこの作家さんの雰囲気(作風)は只者ではない感じがガンガン伝わります。『眠りの庭』を読了直後は正直、そうでもないかなという印象でしたが、時間が経つにつれ、もう一度読みたくなる世界観でジワジワと中毒性を発揮してくるタイプです。本作も6編から連なる連作集ですが、各々の章の人物やストーリーがとてもキレイに纏められており、グイグイと「千早ワールド」に染められていきます。桜木さんほど暗くはなく、真梨さんほどヘヴィではなく、上品かつ、ひそやかなエロスがあり、他作品も気になります。2014/10/23
❁かな❁
174
千早茜さん初読みでしたが大人の女性にぴったりな作風でとても良かったです☆6編の連作短編集。後ろめたいような男女の関係のお話なので全体的に静かでひっそりした空気を感じます。それぞれ心の中にいろんな思いを抱えていて暗い雰囲気もありますが文章がとても読みやすく淡々と語られていきました。いつもは明るいほっこり系の作品が好きなのですが千早さんは違う雰囲気なのにまた読みたい作家さんだと思いました。「うろこ」が一番お気に入り!松本くん良かったです♪「ねいろ」の水草くんの言葉も「ゆびわ」の最後も切なくて良かったです☆2013/11/04
ガクガク
156
千早茜初読。6編の連作短編集。装丁も各編のタイトルもいい。各編の登場人物がそれぞれ主人公として描かれるが、連作としてのまとまりはさほど感じられない。変わらないものなんて何もないこの世界で、自分が人とどう繋がり、愛し合い、傷つけながらも生きていかなければならないのか、そのヒリヒリするような感覚を透明感のある美しい言葉で綴る。最初の「ほむら」だけはちょっと違うテイスト。「やけど」と「うろこ」はセットで読むと心が落ち着く。「ゆびわ」は最も哀切で読後は苦しい。2013/12/30
タックン
130
千早さん2冊目。どこかキズ跡と影がある関係ある男女の連作短編集。会話と短文だけのストレートな文章が逆に生々しく男女の心の奥をうまく描写している。題名の(あとかた)の通り読み終わった後余韻が残るかのようになってる。前の3編より後ろ3編が好きかな・・・サキちゃんは可哀相だけど強いな。読みやすかった。千早さんはまだまだ追っかけようかな。2014/09/07
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