出版社内容情報
一生忘れられないほど、一生思い出し続ける程に、楽しくて幸せな記憶はありますか? 昭和三十四年、五粒の種を託され京都・舞鶴へ向かった少年・光太と、喘息を抱え海辺で育つ姉・皐月。昭和の漁村の営み、高度経済成長に伴う家業や相続の変化、巨大な資産の謎、そして大人になる痛みと喜び――。舞鶴湾に降り注ぐ光は、家族の記憶と人生の航路を時代を超えて照らし続ける。夢と希望を与えてくれる傑作長篇小説。
【目次】
内容説明
生涯でただ一度の幻の光景を見てしまった光太と、喘息を抱え海辺で育った美しい姉・皐月。破天荒な企みを成し遂げた祖父たちと、莫大な資産の謎。高度経済成長に伴う街や港、家業の変化。そして大人になる痛みと喜び―。戦後から令和へ、舞鶴湾で育まれた人々の豊かな営みを描く壮大で美しい、傑作長篇小説。
著者等紹介
宮本輝[ミヤモトテル]
1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。広告代理店勤務等を経て、77年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。『骸骨ビルの庭』(司馬遼太郎賞)等著書多数。2010年、紫綬褒章受章。18年「流転の海」シリーズ全九部(毎日芸術賞)を完結。20年、旭日小綬章受章。25年『潮音』全四巻で菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
檸檬の木
15
昭和34年、中学一年生だった光太の風光明媚な舞鶴湾を臨む漁村での暮らしが始まった。両親と腹違いの姉の皐月と祖父母を交えた八人の共同生活を令和になり77歳になった光太が回想を綴った。朝鮮特需や高度成長期の昭和時代に長閑な漁村で生活を営む人々の人情味溢れたエピソードの数々。降って湧いた様な著者曰く「悪党出し抜き大作戦」で大金を得るも冷静な行動を貫いた若者。年代が行ったり来たりしたので話が困惑し、頭の中で整理するのに戸惑ったが、長い長い良き時代を回顧した長編小説は素晴らしかった。舞鶴の美味しい蒲鉾が食べたい。2026/06/14
そうたそ
8
★★★★☆ 海が望める豊かな自然風景溢れる舞鶴の地を舞台に、少年・光太と喘息を抱えながらその地で育つ姉・皐月らを軸に戦後から現代にかけての一族の営みを描いた大作。読み終わってまず思うのは、宮本輝作品だ!という感想。とにもかくにもそれに尽きる、大きな起伏のあるストーリーではないが、その豊かな情景と淡々と続いていく日常が描きこまれており、自ずとストーリーに入り込んでしまう。時系列が行ったり来たりする部分があるが、他愛もない日々が描かれることに変わりはない。久々に著者らしい作品を堪能した気分。2026/06/19
おっぽう
2
久々に宮本輝の世界に浸りました。 主人公は、私より10歳上。舞鶴湾を舞台に描かれた時代風景には、シンパシーを感じました。 人生晩年、如何に生きるべきなのか。 少し「流転の海」の匂いも感じました。2026/06/18
tecchan
0
戦後から令和にかけて、舞鶴・京都を舞台にした姉弟そして家族の物語。主人公が過去を回想しながら、あわせて同時代と並行して物語は淡々と進む。同じ時代の一時期京都に住んでいた自分にも身近に感じられた。素晴らしい作品。著者のサイン入り初版本を運良く手に入れた。2026/06/19
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