内容説明
大阪の焼跡闇市から実業家としての再起をはかる松坂熊吾。豪胆にして理不尽、強さと弱さを併せもつ明治生まれの男が、50歳で初めて子を授かった。事業の再建に奮闘する一方、わが子が成人するまでは死なぬと心に決め、人生における使命とまで自覚する…。混沌の時代を裸一貫で生きる個性豊かな男たちと、寄り添う女たちの、人生の有為転変を雄勁な筆で描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
それいゆ
56
第7部が出ているのを知り、この第1部を図書館で借りて読み始めました。大阪、神戸の馴染みの場所で物語が展開するのでとても身近に感じます。息子の伸仁が脱腸になる場面が印象的です。何故か?実は私も小さい頃に同じ経験をしています。高い所から飛び降りた瞬間に腸が出てきました。バンドで突起物を止めていたのを思い出しました。局部麻酔で手術をしましたが、チクチクと痛かったのを今だに覚えています。変な感想になりましたが、懐かしいです。2014/05/30
だんたろう
24
第7部を読んだので、1部から全部読んでみることにした。戦前から戦後へと、混乱の中を生きている男が主人公。豪快で強く、卑屈で弱い二面性の心情を魅力的に描かれている。見た目と内面の違いが、人生をどう左右するのか。心情説明の文章が多いが、それも本作の魅力のひとつになっている。どこかに居そうな人間の、今後が気になる。2014/01/23
ちょん
16
再読。久しぶりに長いシリーズを読みたくなり図書館で借りてきた。熊の横暴な態度や懐の広さ、人を惹きつける魅力などを読んでるうちに思い出した。戦後の混沌とした世の中で、熊が大きな壁に立ち向かっていく姿が頼もしい。2016/10/14
まさおか つる
12
星廻りとケンカをしてこそ、ほんまの人生やとは言えんかのお。思いどおりにされてたまるか。わしはケンカをするんじゃ。見るも無惨に敗れ去っても、わしはその星廻りとかいうお化けとのケンカをやめんぞ。2020/04/19
愛 飢男
7
第一部、完読。長編だから、まだ露払い的な感じ。 それにしても、時代考証はきちっとされてますね。2023/07/18
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