出版社内容情報
なぜ「そこ」だけが特別視されるのか? 春画から現代の写真・立体作品まで、裸体表現の秘所を探る。世に「コカン」の種は尽きまじ。メイク・コカン・グレイト・アゲイン! なぜ「そこ」を、隠さねばならないのか。裸体表現の秘所をさぐる天下の奇書が、満を持して帰ってきた! 『新股間』では江戸の春画から21世紀の写真・立体作品まで射程をひろげ、猥褻か芸術かという不毛の問いにもツッコミます。腰の葉っぱが覆うもの、「ゆるふん」からはみ出たものを追いかけて、股間研究の種は尽きまじ。
木下 直之[キノシタ ナオユキ]
内容説明
男の、女の、裸体表現の秘所をさぐる天下の奇書。図版142点掲載!
目次
帰ってきた股間若衆
股間風土記
日本美術の下半身
春画ワ印論
性地巡礼
猥褻物チン列頒布論
著者等紹介
木下直之[キノシタナオユキ]
昭和29年(1954)浜松生まれ。東京藝術大学大学院中退、兵庫県立近代美術館学芸員、東京大学総合研究博物館助教授を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授。2015年春、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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harass
65
「股間若衆」の続編。雑誌芸術新潮に掲載した記事を集めたもの。あまりにゆるく、トリビア的な内容に感心したり吹き出したりした。前作は物足りないと読んで思ったのだがエッセイだと考えると納得できる。楽しんで読めた。男性裸体像の現在や春画、「いちじくの葉」、「ろくでなし子」事件についての意見陳述書など。表題は画家黒田清輝のことも掛けている。彼の裸婦画の展示に警察が警告し、対策として絵の下側に布を巻いたのだという。いろいろ捻れてしまった日本の猥褻の問題、といっても堅苦しくなく、脱力して語るのは面白い。2017/09/18
Kouro-hou
28
『股間若衆 男の裸は芸術か』の続編本。芸術新潮誌に掲載(連載ではない)された、主に男性ヌードと股間表現、猥褻と芸術の境目などのコラムや、先に開催された春画展の図録収録の文やろくでなし子裁判関連文書などを収録している。連載ではないので、章同士の繋がりはゆるく、扱う幅は広い。彫刻等の副読本にされる事前提の男性ヌード写真は、紙製のイチジク葉をゴム紐で固定して疑問を抱くことなく大真面目にポーズを取っていてしみじみする。西洋文化の成長の道のりをパスして完成品だけを明治時代に突貫工事で受け入れた歪みも感じられる。2017/07/13
旅するランナー
22
紫綬褒章受章の東大教授が股間芸術へのこだわりを書きまくったチン本。 裸体像の葉っぱ野郎ども、黒田清輝の性器表現、裸の王様やアダムとイブ、春画の芸術性、ろくでなし子と猥褻物チン列考察…高尚な下品さに、まんまとハマります。2017/11/27
紫羊
19
新「股間若衆」ということで、前作同様ふざけたタイトル。でも真面目に研究されているので読み応えがあった。2023/02/20
ふろんた2.0
9
この人紫綬褒章を授与されているらしい。次はイグノーベル賞かな。2018/03/10