うそコンシェルジュ

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  • サイズ 46判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103319849
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

それで誰かを助けられるなら、うそぐらいつく。大学のサークルを抜けたい姪のため、うその辞める理由を考えてあげたことをきっかけに、「うそ請負人」と頼みにされるようになった女性の困惑。会社の自転車置き場で、人間関係へのストレス発散のために同僚がとっていた思いがけない行動。日常の困ったことどもをやり過ごし、目の前の「今」を生き延びるための物語11篇。

内容説明

ひょんなことから「うそ請負人」となったみのり。52歳の誕生日をひとりで静かに祝う佐江子さん。人間関係のストレスを特殊な行動で発散している中山さん。家庭と職場、両方に疲れ切った倉田さん。祖父の遺品の幸福な行先を探すえいちゃん。定年退職する同僚のために必死で送別会のお店を探す横井さん。きっと「自分に似た人」を見つけることができる11の物語。

著者等紹介

津村記久子[ツムラキクコ]
1978(昭和53)年大阪市生まれ。2005(平成17)年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で太宰治賞を受賞してデビュー。2008年『ミュージック・ブレス・ユー!!』で野間文芸新人賞、2009年「ポストライムの舟」で芥川賞、2011年『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞、2013年「給水塔と亀」で川端康成文学賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2017年『浮遊霊ブラジル』で紫式部文学賞受賞。2023年『水車小屋のネネ』で谷崎潤一郎賞受賞、同作は2024年本屋大賞2位に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヴェネツィア

465
津村紀久子の新刊。2023年には『水車小屋のネネ』で谷崎賞をとり(本屋大賞でも2位)今回はこの作品と、随分精力的な作家活動である。他にもいくつかの賞に輝き、評価も高い。本書は、表題作を含めて11の短篇を収録。『水車小屋』とは作風が違って、これはいわばお仕事小説であり、その意味では本来のスタイルに戻ったかのようでもある。ただ、これまでとの違いは(特に表題作とその続編は)他者との距離の取り方に煩悶があり、その分思索的で、いわば理屈っぽくなっていることだ。もちろん、そのことはなんらマイナスに働いているわけで⇒2025/02/01

starbro

307
津村 記久子、3作目です。本書は、バラエティに富んだ短編集、オススメは、表題作『うそコンシェルジュ』&『うそコンシェルジュ続 うその需要と供給の苦悩篇』&『二千回飲みに行ったあとに』です。 噓も方便ということなんでしょうね。 https://www.shinchosha.co.jp/book/331984/2024/12/05

のぶ

199
ひょんなことから相談を受けてうその請負をすることになった女性会社員の奮闘を描く2篇と、日常の悩み事をうまくやり過ごす様を描いた9篇、妙味ある11篇を収録した短篇集です。表題作「うそコンシェルジュ」と続編の2篇が抜群に面白い。方便としての嘘を吐くことは結構ありますから、その程度は充分許されることと思いますが、相手に嘘と見破られないように上手く嘘を吐くためにはどうしたら良いか。ウソを上手くつくための相談を受ける主人公がとても愛くるしく、コメディ感があって楽しい。2024/11/25

naff1968

173
安定の津村ワールド。ただ今回は湿度が高めというか、じんわりと沁みる話が多かったかな。他人が本当は何を考え、感じているのかなんて、永遠にわからない。でもついつい決めつけてしまう。だからもっと丁寧に、日々を過ごそう、そう思わせてくれるいい本でした。2024/11/12

nonpono

172
帯より「きっと「自分に似た人」を見つけることができる11の物語」。表題作はひょんなことからうそを考えてあげることになった主人公。わたしはドタキャンされるならうそでもいいから事前に言われた方がいい。本欄に書いたが、うそをつくことさえ面倒な自分がいる。うそつくとうそをつくためにうそを重ねるからさ。うそとはある種、相手に対しての思いやりなのかな。好きなのは「レスビロ」。終わりが鮮やか。別れた夫の幸せなSNSを見つけ綻びを探す先輩、液タブを買うためにバイトを始めたわたし。夢はさ、近づいていかなきゃ始まらないんだ。2025/01/25

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