小説世界のロビンソン

小説世界のロビンソン

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 20X15cm
  • 商品コード 9784103318149
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0095

内容説明

小説は本来おもしろいものだ!幼い日に、落語の速記本や冒険小説で物語の魅力にとりつかれた著者は、やがて古今東西の小説を渉猟し、雑誌編集者から作家への道を歩む。純文学から大衆文芸・ミステリ・SF・コミックまで、幸福で刺激的な“本との出会い”をとおして、“物語の快楽”をつづる体験的小説論。

目次

下町の子の〈正しい〉読書
岩窟と地底の冒険
集団疎開と「夏目漱石集」
「吾輩は猫である」と落語の世界
「吾輩は猫である」と自由な小説
「吾輩は猫である」と乾いたユーモア
「吾輩は猫である」とフラット・キャラクター
〈探偵小説〉から〈推理小説〉へ
推理小説との長い別れ
「落語鑑賞」と下町言葉
遅いめざめ―1950
太宰治―マイ・コメディアン
フィールディング―〈散文による喜劇的叙事詩〉
ピカレスク小説―または〈人生は冷酷な冗談〉
1952年のスリリングな読書
物語の極限―「ラブイユーズ」
小説が古びるときとは
ワンス・アポンナ・タイムマシン―または〈退屈な〉私見
〈視点〉の問題
ロック元年の小説世界
未知との遭遇=〈大衆文芸〉
「富士に立つ影」と〈茫々たる時〉
古い〈大衆文学〉の衰退と〈エンタテインメント〉の発生
エンタテインメントの〈正しい〉姿
30年ののち―または〈物語〉のゆくえ
早過ぎた傑作「火星人ゴーホーム」
K.ヴォネガットの場合―SFから主流へ
ブローティガンの場合―「愛のゆくえ」について
J.アーヴィングの場合―〈物語〉の力と読者の関係
27年前の「『純』文学は存在し得るか」を読みかえして
いわゆる〈純文学とエンタテインメント〉をめぐって
「瘋癲老人日記」の面白さ
作家の誠実さとはどういうものか
新聞小説の効用
とりあえずの終り
メイキング・オブ・「ぼくたちの好きな戦争」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部義彦

8
小林信彦さんのこれはもう、一冊まるごと小説論と言って良いでしょう。前からずっと読みたいやと思ってましてが文庫は絶版みたいで諦めてたら、ブックオフの100円でかなり年季の入った単行本を見つけたので喜んで購入。えラリークイーンズミステリーマガジンは私も昔買いましたし、松本清張から横溝正史あたりの話は中学位でしたので大変興味深かったです。小説とは何をどう書いてもよい自由な形式である。カートヴォネガットは私も好きでした。SFにふれられていて、読みたい本(火星人ゴーホーム)が増えました。2015/10/06

つまみ食い

2
ディケンズ、バルザックなど英仏の古典文学から同時代小説のヴォネガットやブローディガンなどを、いわばダシにして闊達に著者の半生や創作論、小説論が広げられる。2022/08/17

やいとや

1
毎年読むのだが、今回は勢いでバルザック全集を購入してしまった。2021/02/11

marumasaiioka

1
すばらしい2009/06/10

トーマス

0
小林信彦は語り口とか伝わってくる人柄が好きじゃないんだけど、英文学的なバックボーンがわりかしあって海外小説にも詳しいし、けなす一方じゃなくて、谷崎とかこれは好きと伝えてくるのがいい。紹介されている小説は結構参考にして読んでる。あと、ガラスの仮面とか少女漫画を読んで、おもしろいと言ってる姿勢もいい。本人は好きじゃないけど、読みたい文章を書く人です。2017/02/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/429361
  • ご注意事項

最近チェックした商品