出版社内容情報
新宿で起きた未曾有の大暴動。凄惨なその現場に、少女は向う。恋人に思いを伝えるため――純粋で残酷な“希望なき時代”の青春小説。
「きみの世界の終わりを、見ててあげる」純粋で残酷な“希望なき時代”の青春小説。自殺するはずだった戸野宮毬は、飛び降り直前に天使のような青年・人百合と出会う。彼との出会いで毬は生まれ変わるが、世間では、通り魔事件、食品への薬物混入事件、意味不明のフラッシュモブなどが頻発し始める。それは、計画された未曾有の大規模暴動の前哨戦だった――恩田陸さんが選んだ新人作家、入魂の長編書下ろし!
内容説明
「きみの世界の終わりを、見ててあげる」自殺を決意した戸野宮毬は、飛び降り直前に天使のような青年・人百合と出会う。彼との出会いが彼女の世界を変えていくが、世間では通り魔事件、食品への薬物混入事件、意味不明のフラッシュモブなど不穏な事件が頻発し始める。それは、積み重なった人々の悲しみと怒りが爆発する前兆だった―。切なさと高揚感でページを捲る手が止まらない、青春「暴動」小説。
著者等紹介
水沢秋生[ミズサワアキオ]
兵庫県生まれ。出版社勤務などを経て、フリーライターに。2011年『ゴールデンラッキービートルの伝説』で恩田陸氏選考の第7回新潮エンターテインメント大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん🍊
64
恩田陸推薦の青春小説と言う事で期待して読んだのですが、こんなに重いとは青春という明るいイメージとは遠く、通り魔、食品への薬物投入、意味の無いフラッシュモブ、ほんの少しの起爆剤で世界は終わる。不安や不満、闇を抱えた空っぽの若者達、安心して過ごしている日常生活がこんなにも簡単に崩れ落ちる、日本もこんなに病んでいるのか。2014/11/21
takaC
55
図書館の返却本棚で出会ってなんとなく読んでみたのだけど見た目に反してヘヴィーな話だった。切なさは感じたけど高揚感はなかったな。どちらかといえば焦燥感だろう。時代が時代なら禁書かもね。2015/01/05
nyanco
47
『ゴールデンラッキービートルの伝説』で新潮エンターテインメント大賞受賞後、2作目。内容も全く知らずに読み始めたのですが、テーマが重かった。無差別殺人、無差別テロ、「俺がこんな生活しか出来ないのは世の中が悪い」「幸せな奴らの人生を終わらせてやる」と言った犯人たちの言葉にいつも苛立ちを感じていました。どうしても被害者や被害者の立場で考えてしまう。何もしていないのに、何でこんな目に…記憶の一部を無くしてしまうほど辛い生い立ちをしてきた人百合。優しい彼の中にある、空っぽの恐怖。続→2014/08/23
外道皇帝
11
飛び降り自殺しようとした毬は、声をかけてくれた青年・人百合に連れられて廃墟のようなビルで何人かと共同生活をするようになった。一応物語の中心となる人物は何人かいるのだがそのうちの誰一人として共感できない。心の虚ろな若者たちの起こすフラッシュモブや通り魔事件を描いているのだが作者の描きたいものが何なのかさっぱり分からない。残念ながらこの作品とは合わなかった。2014/09/28
おかむら
11
GWの人混みで賑わう新宿で暴動発生。その影に天使のように微笑む美少年。うーん、なんだか中2くさい。イマイチのれなかったわ。2014/09/02