内容説明
水に落ちた犬を打つような風潮、ずる賢さの氾濫、早期英語教育推進をはじめとする欧米への迎合―。日本ならではの美風を忘れた社会を指弾しつつ、未曾有の大災害時に溢れた人々の惻隠に一縷の望みをつなぐ…。『国家の品格』『国家と教養』の著者が紡いだ美しい日本の姿とは!?『週刊新潮』連載コラム集最終巻。
目次
第1章 祖国とは国語
第2章 流暢な英語より教養
第3章 統計とは「インチキの玉手箱」
第4章 孤高の日本を忘れた現代日本
第5章 我々の生のような花火
第6章 世の動きに対するたまらない想い
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シャコタンブルー
27
週刊新潮に10年間掲載された「管見妄語」この本で最後となってしまた「一つでも駄作を書いたら読者を落胆させてしまう。たった3枚半の原稿だが精魂を傾けた」と述べている。教養と知性に溢れたどのエッセイも素晴らしく、そのブレない論旨は感嘆に値する。10年前の小泉竹中政権のグロバーリズムの危険性をいち早く警鐘していた。それが今では非正規社員が500万人に上り、その平均収入は200万円余り、これでは結婚もできない。当時の識者でこのことを真摯に指摘した人が何人いただろう・・今後は長編を執筆するらしい。楽しみ。 2019/07/27
クロネコバス
25
『国家の品格』の著者、藤原正彦教授の週刊新潮に掲載されたエッセイ集。2017年10月から2018年12月。数学者でアメリカやイギリスで教鞭をとった経歴もあり、国際感覚に優れ、トランプ大統領、日本の政治に対する辛辣な言葉も興味深かった。一年に数回の海外旅行や頻繁な国内旅行、別荘のくだりは羨ましい限り。2023/01/04
ムーミン
16
いつもながら、世の中を見る力、考えに力強さを感じます。2019/08/06
モーモー
13
国家の品格著者のエッセイ。英語教育が亡国の第一歩には同意。日本の英語教育でグローバリズムな人材が育成されるとは思わない。日本のよき文化をわかる人材になるために教育時間を費やして欲しい。2023/05/31
Makoto Yamamoto
12
藤原和彦3冊目だが、コラムを週刊新潮に書いていたことを知らなかって、非常に残念な思いをしている。 全て単行本化されているらしいので、遡って読んでみたいと思うほどの内容だった。 お父さんの新田次郎の話あり、息子さんの結婚式前のハプニングあり、思わず吹き出してしまうことあり、時折出てくる政治への見方も興味深く読ませてもらった。2019/07/10