出版社内容情報
「グローバル化」とは、米英の英語帝国拡大主義に他ならない。英語力、IT力の強化などにうつつを抜かす世の中に、「愛国」の一喝!
「英語教育だ」「IT力だ」と戯言にうつつを抜かす、憂うべき世の中に一喝! 長年のデフレ不況は、日本人の英語やITが拙いから起きたのか? 上達すれば、自国領土まで掠め取られそうな弱腰外交が変わるのか? 「グローバル化」の真相とは、単なる米英の英語帝国主義に他ならない! 日本の広範囲な体質劣化をこれ以上放ってはおけぬ――。国を憂う著者が、物ごとの本質を見抜き、鋭く突きつける一冊。
内容説明
日本人に必要な真の教養とは何か?米英を盲信する能天気に一喝!物事の本質を見抜いて鋭く問う。
目次
第1章 誰が市場原理主義をまき散らしたのか(だまされる数学音痴;反目の黒幕 ほか)
第2章 世事はすべて灰色なのだ(四つの事件と二つの実害;平和愛好国に必要な組織 ほか)
第3章 日本人として生まれた宿命(酷寒で鍛えられた精神;器械嫌いの矜持 ほか)
第4章 真の教育改革ほど難しいものはない(父と私の五七五;月給二十一ドルの夢 ほか)
第5章 グローバル化の憂鬱(喪われた一喝;傍線の落とし穴 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
15
快刀乱麻2014/02/09
hanagon44
8
出版された順ではないのですが管見妄語シリーズ5冊目。藤原先生の文章はとても読みやすく,ユーモアたっぷりで,鮮やかに世相を斬ってあり痛快です。世界遺産認定でのかの国の妨害活動や外務省の揚げ足とらせ声明にもつながる『「大人の態度」の結末』や『平和愛好国に必要な組織』。安全保障関連法案の騒動にも当てはまりそうな『黒と白の幻想』などなど”今”にピタッとくるものがたくさんありました。『「一人旅か」と聞くから,「いや恐ろしい妻とだ」と言ったらやはりニヤリで終わりだった』などの入国審査をスムーズにするコツには大笑い。2015/06/29
ありんこ
8
読書をしない大学生が4割を超えたというニュースを聞いたばかりだけれど、この本の中でも子供には多くの物語、詩、偉人伝を読ませて情緒を豊かにすべきという話があった。あとは映画館、美術館などは若者たちの料金を下げるべきという意見。海外でいろいろなものを見てきた人の本を読むのはとても面白いです。2014/03/03
yama1000
3
著者の切り口は独特で目を覚まされる。ユーモアにあふれ、ニヤリ、ニヤリはいつものとおり。よくもこれだけの題材を集められるものと、感心してしまう。2020/12/12
Masa
3
書店の新刊コーナーで発見購入。グローバル化の話ではなく、敬愛する数学者藤原正彦氏の週刊新潮連載のエッセイ集。今回も大変楽しい内容になっている。毎週読むのを我慢した甲斐があった。三十年ほど前、日本を初めて訪れたアメリカ人の「町の本屋でいつも大勢の人々が立ち読みしているのは最もエキサイティングな光景だ」という言葉が胸に残った。氏が言うように読書は昔も今もこれからも、教養を得るため、すなわち大局観を得るためのほとんど唯一の方法であると思う。大変良い本でした。2013/11/22