内容説明
家族の愛おしい時間を綴るちょっとこわくて、せつない7つのおはなし入りの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
187
幼稚園の遊太くんにお話を作って聞かせてあげる楽しく優しいママ。明日どうなってしまうかわからないと不安な遊太くんを安心させてくれる優しいパパ。安東みきえさんの作品を読むのは4作目。とても温かい素敵なお話。娘がお腹の中にいる頃からお腹に向かって絵本を読み聞かせたり、夜寝る前に娘が眠たくなるまでお話したりしてた頃を思い出す。大きくなった今でもすごく仲良し。「星に伝えて」「冬の花咲いた」「大地のえくぼ」「へそまがりの魔女」がお気に入り。子育て真っ最中のママに読んでもらいたい。親子の大切な時間楽しんでほしいな♪2018/06/06
ちょろこ
134
親子の日常を切り取った、一冊。とにかく温かさで満たされていくそんな物語、良かった。親子の会話や触れ合い、日常を切り取ったような時間はアルバムをめくるように懐かしさが心をくすぐる、泣きそうな言葉が溢れている。「冬の花咲いた」は可愛さと温かさがたまらない。「星に伝えて」が一番好きかな。この言葉、もっと言ってあげれば良かったな。余裕のなかった自分の子育て時代を思い出しちょっと後悔の涙。でも成長したからこそ伝えられる言葉もある。どんな時でも味方だよ。なら、ずっと伝えられる。2020/07/15
nico🐬波待ち中
114
「ねえママ」特に用もないのに呼んでみただけの遊太。うちの娘達がこんな風に私のことを呼んでくれたのはいつ頃までだっただろう。私の話を熱心に聞いてくれたのは。手をつないだのは。彼女達を抱っこしたのは。当時はそれが貴重な一時だったなんて気が付かなかった。あの真綿のような軟らかな日々を思い出しながら、遊太のママと共に遊太の成長を見守る。クラゲが星に伝えたかった言葉。何十億年経っても変わらずに受け継がれたその言葉は言霊となって、星だけでなく地上の生き物に大事に伝えられていく。そして最後は私の心にも優しく響き渡った。2020/06/28
ふう
93
子どもは心の中にどんな世界をもっているのでしょう。きっと大人の常識では計り知れない、不思議で楽しくてやわらかい世界ですね。そんな子供の世界に、心に、想像したり考えたりするタネをまいてくれるようなママのお話が詰まった本です。優しい気持ちになれる話や、ちょっと毒のある話、心の複雑さを感じる話たち。そして、ママの心配や男の子の成長が伝わってくる日常の物語たち。この中のいくつかを孫にも読んであげたいなと思いました。2018/03/06
greenish 🌿
91
家族の愛おしい時間を綴る、7つのお話入り・・・の物語 ---なんて微笑ましい物語なんでしょう!『頭のうちどころ-』『アホな-』『アルマジロ!-』とはまた違ったテイストの物語。でも、安東さんならではの、ちょっぴりシュールな世界、物語のハーモニーは健在です! 《星に伝えて》「だいすき」って言うの、照れくさいけどみんなに広がって欲しいよね。《永久歯》「ねぇママ」って、用事はないけど呼んでみたいよね。《月夜の影ふみ》「おやすみ」って言いたくない夜、あるよね。ママとパパから子供たちへ、読んであげて欲しい一冊です。2014/08/05