出版社内容情報
記憶してください。私は、私たちは、こういうふうに生きてきたのです――。高校時代の同級生五人――三十代後半になった彼らの人生は、一人の自死をきっかけにして、さまざまな挫折や変貌や再出発を強いられていく。宗教二世、小説家、主婦等々、五人それぞれの生きることの迷いと歓びと傷、そして再生への切なる希望を深い声で語り、無常観の果てにある祈りの旋律が鳴り響く著者真骨頂の感動作!
【目次】
内容説明
宗教2世、主婦、会社員、小説家…1人の自死が、残された元同級生4人の人生を深く揺り動かす。夜の底は、いつもあなたの香りがするから。いくつもの悔恨とささやかな光を抱えて僕は。高校の同級生5人、40歳目前になった彼らが直面したものは―。赦しに満ちた至上の最終章があなたを解き放つ傑作長篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
136
最終の菜乃子の章に行きつくまでは「嫌だな・・こんな5人は」と思っていた。それでも私の身体の隅々でカチッと嵌りあって、文字になった感情に苦りつつ読んでいた。なのに・・菜乃子を表す芍薬も、彼ら5人の生きた歳月も「ごめんね」と「ありがとう」の光と闇の狭間に揺られ、全ての終息と安寧の着地を感じた最終章。あぁ、これは反則じゃない窪 美澄?と正直思った。死んでもまた死にたくなるのに明確な答えを知る人はいるだろうか。今になってもなお月に例える関係なんて。でも、本作は私の好きな窪美澄だった。2026/04/13
itica
71
高校で知り合った男女5人。大学は別々だが社会人になっても関係は続いている。しかし中心にいた菜乃子が亡くなったことで、保たれていた均衡が崩れた。あんなに仲の良かった彼らは、それぞれ胸に秘めていたことがあったのだ。菜乃子の死に影響を受けながらも彼らの日々は容赦なく過ぎて行く。ひとりひとりにスポットを当てた連作短編は、最終の「芍薬と星月夜」で実りの章、希望の章になる。静かに穏やかに。 2026/04/08
雪
49
高校の同級生男女5人のうちのひとり、菜乃子が自死した。その事実をそれぞれの胸の中に抱えながら生きる、彼らのその後の人生。菜乃子を巡って4人の中で複雑に絡む感情を静かに淡々と描く文章は、かえって彼女の不在を強く印象付ける。一章ごとに視点が変わる連作短編の形で物語が進むが、最終章『芍薬の星月夜』がとても良く、この最終章のための前四章であったという気がした。2026/04/27
hirokun
40
★3 今回の窪美澄さんの作品は、最後まで読み終えたものの何か自分の好みには合わないものだった。物語の深さに読解力がついていけなかったか?2026/04/27
nyanco
38
高校の頃からの腐れ縁の男女5人の物語 5人の中の一人 菜乃子の自死が伝えられるところから物語が始まる。短編5篇 菜乃子に憧れる健太が好きな沙耶、実は菜乃子ではなく達也が好きな健太、菜乃子に進められて小説を書き始めた倫子、菜乃子を無くしてから立ち直れない達也 と、それぞれの語りで綴られる が5篇って最後は?と思ったらやはり最後は菜乃子 生前の彼女かと思ったら、死後、彷徨う様子が描かれていました。遺された人が逝ってしまった人を思う場に死者が呼ばれる、これはキツイ →続2026/04/18
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