ぜんぶの後に残るもの

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103256229
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

震災下の厳しい毎日も、昔の笑いあった日々も、いつしか一つに――。津波にも地震にも奪いきれないものが、わたしたちのなかにはある! 心に響くエッセイ集。

内容説明

わたしにとっての南三陸町は、その母子の輝きそのものである。町の記憶は匂いや光や言葉とともに、あの筆舌に尽くし難い圧倒的な生命力と分かちがたくわたしのなかにある。津波にも地震にも奪いきれないものが、わたしたちのなかにはある。

目次

はじめに―ぜんぶの後に残るもの
地震のあとで
感じることなど
からだの記録
召しませ、大阪
言葉はふくらむ
けもの、動くものたち

著者等紹介

川上未映子[カワカミミエコ]
1976年、大阪府生まれ。2006年、随筆集『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(ヒヨコ舎)を刊行。2007年、初めての中篇小説「わたくし率 イン 歯―、または世界」が第137回芥川賞候補となる。同年、第1回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。2008年2月、「乳と卵」(文藝春秋)が第138回芥川賞を受賞。3月、第1回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。2009年4月、詩集『先端で、さすわ ささえるわ そらええわ』(青土社)で第14回中原中也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

158
我が川上未映子先生のエッセイ集です。日本経済新聞に東日本大震災の当日執筆された物など震災関連のものが最初に幾つかあって、その後は週刊新潮に連載されたエッセイが沢山。何しろ数が多いので全て記憶に残っている訳ではないけれど、何と言っても読んでて心地良いのが良いのです。色々考えさせられます。気付かされます。そして笑せてくれます。文章うまいなあ。しかしそんな川上先生でも書く事はストレスなんですって。軽々書いていらっしゃるようでいてその裏で苦しむ川上先生のお姿を想像すると何かこう。何のお仕事もしんどい事です。 2025/02/16

hiro

118
未映子さんのエッセイ7冊目。週刊新潮(オモロマンティック、ボム!)と日経新聞に掲載されたもの。今まで読んだエッセイのなかにも震災を挟んで書かれた本が2冊あったが、この本の冒頭も震災直後に書かれたものだった。2年以上たった今日も原発関連のニュースが多かったが、まだまだ震災の爪あとは消えないと改めて思う。未映子さんの日常を書いたこのエッセイにも、ときどきあの句点がなかなか出てこない独特の文体が登場するが、まったく苦にならなくなったw 逆にリズムがあって文章が頭に入ってくるように思う。慣れとは恐ろしいw2013/07/09

おくちゃん🌹柳緑花紅

77
川上未映子さん2作品目はこのエッセイになりました。「地震のあとで」頑張ろう、私たちはひとつ・・同じ目に遭ってなお、そういえるのか?逃げなのかもしれないけれど、私はまだ震災がベースにある作品を読む覚悟が出来ていない。どういう言葉も適切ではない気がする。何も語れない。「からだの記録」記憶はあやうく鮮やかで、そしてはっきりと不確かでから始まる文章のなんて沁みることか・・・。そしてさすが関西人!面白い。私の知らない川上未映子さんを沢山発見した。2015/03/25

とら

76
川上未映子さんのエッセイは初めて。川上さんは何作か出している、というか、もはやデビュー作が随筆集という経歴を持っているので、結構期待してました。でもそんな期待をものともせず、それ以上の面白さだった。素晴らしい。もともと川上さんの文章が好きだったのだけれど、これは週刊連載してたものをまとめたわけで、全部新鮮なのだ。一週間ごとに気持ちを入れ替えて川上さんも書くわけだから。良い所が凝縮されてる。ワープロで描かれた文字だと字の上手さが伝わらないとか言ってるけど、十分想像出来る。あと全編題名が秀逸。綺麗すぎて困る。2013/03/27

Y2K☮

48
震災時の文章が響いた。「連帯」は「監視」に変化して「正義」が「強要」に結びつくって本当にその通りだった。自粛に関しては計画停電もあったしプロスポーツなどは延期&中止もやむなしと思っていた。心の底から笑える状況でもなかったし。でも著者の云う通り花見は桜の持つ意味を考えたら、一緒くたに考えるべきではなかった。慧眼です。「津波で我欲を洗い流せ」という誰かの発言に触れてくれたのも溜飲が下がる。あれは都民の一人として情けなかった。ところで谷崎賞獲ったんだし「陰翳礼讃」を「れいさん」と間違えるのはもうダメですよ(笑)2015/10/11

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