敵討

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103242291
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

明治時代に入り、法治国家を目指す政府の方針で、江戸時代に美風として賞賛されていた敵討は、一転、殺人罪とされるようになった。―新時代を迎えた日本人の複雑な心情を描く「最後の仇討」。老中水野忠邦、その手足となって辣腕をふるった鳥居耀蔵による天保の改革を背景に、幕末の政争、そしてそれによる社会情勢の変遷を克明に浮び上らせる「敵討」。対になる二篇を収録。

著者等紹介

吉村昭[ヨシムラアキラ]
1927(昭和2)年、東京日暮里生れ。学習院大学中退。66年『星への旅』で太宰治賞を受賞。その後、ドキュメント作品に新境地を拓き、『戦艦武蔵』などの一連の作品で菊池寛賞を受賞。以後、歴史小説をはじめ、多彩な長編小説を次々と発表している。主な作品に『ふぉん・しいほるとの娘』(吉川英治文学賞)、『破獄』(読売文学賞)、『冷い夏、熱い夏』(毎日芸術賞)、『天狗争乱』(大仏次郎賞)などがある
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感想・レビュー

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sayzk

4
人がムキになってなんかしてると「そんな、親の敵みたいに」と、言いますな。殺してやりたいものの代名詞。親の敵。数ある中には敵の誤認、殺された”親”の側に原因がある場合、恨みが恨みを呼ぶ場合もあったろうと思うがこれを単に殺人罪と断じることに抵抗感はみなさんお持ちのようで、私もそうです。ところで死刑反対論の方はこの敵討ちをどう感じるのであろうか?2014/03/13

さざなみ

3
先に読んだ本(野中広務)の中に小泉純一郎首相がこの本について非常に面白かったと感想を述べられていたので興味本位で読んでみた。 このようなきっかけで読む本を選ぶのも乙なもんだ。 時代が変われば考え方も変わるがその過程においてこんな制度に関わった当事者は大変だったことが良く分かり、感動した。2021/09/15

京橋ハナコ

3
「遺恨あり」というドラマの再放送を見て原作であるこの本を読みたいと思った。ドラマとは違い、事実を淡々と書いている印象。敵討ちをしたい気持ちは否定しない。が、それをシステムとして容認することは、結局被害者遺族を更なる不幸に追い込むことになるのだと思った。2012/01/29

フーミン

3
「敵討」「最後の仇討」の二つの物語。何れも幕末の有名な事件の裏で肉親が殺害されて話が展開します。主人公は艱難辛苦を乗り越え、肉親の敵を追い求め、ついに仇を討ち果たします。敵討をするには、藩に「永の暇」を申し出て脱藩する必要があるとのこと。当然家は無くなり、家族は屋敷から追い出されます。見事敵を討ち果たせば、藩に戻ることができるのですが、なかなか逃亡した敵に巡り会うことは難しいことで、何十年と敵を追い求めてもすでに敵が死亡していて仇討できないこともままあったそうです。2011/12/20

tecchan

2
幕末の武士の仇討、そして明治に入ってからの最後の仇討と言われた事件。ふたつの仇討を題材にした小説。武士道精神のように取られる仇討も当人にとって実際はとても大変なことだった。特に明治に入ってからは罪人となった。2018/07/19

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