出版社内容情報
水という生命の源を含む国土資源が、グローバル資本によって簡単に買い占められてしまう!? 危機が日本人の喉元まで及んでいる現実にどう対処すべきか。
内容説明
今、日本の水源の森が狙われている。このままでは日本の国土自体が中国人や欧米人のものになってしまうかもしれない。
目次
1 日本を買え(外資に買収されていく日本;狙われる日本の森;日本の水が危ない;森が買われることの何が問題なのか;日本には国家資産を衛るためのルールがない;日本の森と水を衛るのはだれだ;外資が国土を占有する日)
2 ニッポンの漂流を回避する(縄文が一万年以上持続した理由;稲作漁撈文明の持続性に学ぶ;欧米文明による日本人の心の破壊;グローバル市場原理主義による破壊が始まった)
著者等紹介
平野秀樹[ヒラノヒデキ]
1954年生まれ。九州大学卒業。国土庁防災企画官、大阪大学医学部講師、環境省環境影響評価課長、林野庁経営企画課長、農水省中部森林管理局長を歴任。博士(農学)。現在、東京財団研究員。森林総合研究所理事。日本ペンクラブ環境委員会委員
安田喜憲[ヤスダヨシノリ]
1946年生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。現在、国際日本文化研究センター教授。スウェーデン王立科学アカデミー会員。2007年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜郎自大
1
森林の危機と法律の不備を指摘するには十分で、自分も認識を改めなくてはならない、と感じた。一方で、感情が徐々に前面に出てきて同じ論調の展開に食傷気味。国家の情報管理不備が論理的な議論の展開を妨げている。第一に地籍管理を急ぐべき。また「日本は資源の無い国」という感覚を改めて、領土、領海を含めた地政の意識を持ちたい。2013/02/23
じろう
0
数年前に話題になった本であるが現在の森林と水源保護の状況はどうなっているのか気になるところだ。最初は硬く官僚的に森林保護をアピールする本かと思ったが安田さんのところを読むと反グローバリズムで日本の現在を憂える警世の書であることがわかった。トンデモ面もあるが首肯できることが多い。ここでも読んでいる人が少ないが一読してほしい本である。2017/12/07
taming_sfc
0
外資が日本の森林および水資源を狙っている、「可能性と予兆(と少々の現実)」があるので、法制度をしっかり整備しましょうということと、日本の縄文時代の頃のように森林のめぐみを十分に享受できるような、日本人の心を忘れずに、新しい環境の時代を切り開いていきましょう、的な書籍。個人的には、もう少し、硬い文章で書いてもらいたかったが、一般の方々にはとてもわかりやすい(主張がつかみやすい)文章であるので、よろしいのではないのかと思いました。2011/12/23
gasparl
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たぶんに保守視点寄りで、後段に至っては情緒的過ぎるにしても、後継者がおらず外資の格好の買収の的になっている日本の林地についての問題提起をまとめたもの。、土地の所有権や地下水に対する立法の不備等は確かに今後明らかに問題になってきそうなテーマでもあり、かといって現政権では明確な政策を施せるかというと甚だ疑問でもあり。ここでは指摘されていないけど、人口構造や都市問題とも絡んで議論しないと解決はできないとは思うものの、一番の問題は議論の遡上に乗せられずにいることのように思う。2010/04/29