感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
55
信仰の礎をペン一本で磐石に積み上げた、隠れなき名著だった。読書の真価を問われたように思う。2017/10/10
kaida6213
29
自己犠牲について考えさせられる本。鉄道事故を自身の命と引き換えに未然に防いだ青年のお話。このメインシーンは20ページほどしかなく、あとは如何にこのような人格が形成されたかが細かく丁寧に描かれている。ラストが分かっていながら、どんどん引き込まれていく感じが凄い。幸せに生きるとはどういうことなのだろうか、と考えさせられる本。おすすめ。2016/08/12
テツ
19
我々のような弱く小さき子羊が真の意味で神の存在を信じ、生涯に成し得る全てにおいて信仰を礎に出来るようになるまでには時間が必要なんだろうな。他者のために自らを擲つことの出来る強さ。祝福された最期を喜びそれを受け入れる心境。自分自身を神の創りたもうた道具だと信じ自覚し、他者への献身と奉仕にこの身を捧げることが出来たのならどんなに幸せなんだろう。それは信仰の外にいる人間から見たら自己欺瞞と呼ばれるのかもしれないが、幸福は他者から与えられるものではなくただ己が感じるものに過ぎない。2017/12/31
ひまわり
18
本を読んで泣くとはこういうことか。キリストの愛を説く人は多くても行動で示さなければ、人の心を打つことはないのだなと思いを強くする。衝撃の最後はともかくとしてやはり人は生きてきたように死ぬのだ。自分の思いの通りにいかないこともあるけれど、愛に生きていることを忘れたくないものだ。今までも読むきっかけはあっただろうに、今。今だからこそとてつもなく感動できたのかもしれない。2015/11/17
y
14
人を見下す事、憐れみ、冷淡さ。感情の一つ一つに対して誰もが持つ自然な気持ちへうしろめたさや葛藤をしながら、意義を深く深く考えた主人公。父母友人、婚約者、職場の人間色んな人の影響を受けながら、生と死を考えていき自分の一番大切なものを人にささげる事が愛だということを学んだ。小さい頃の経験を忘れず、折れる事のない柔軟ではないけど、真っ直ぐな気持ち。悪者なんてこの世にはいない、人の気持ちは移ろいゆくもの、主人公の生きた世界の美しさを感じた。2018/02/22