内容説明
王朝和歌の世界が絢爛と甦る歴代の名手から新たに選ばれた不朽の秀歌百首。
目次
春
夏
秋
冬
賀
哀傷
旅
離別
恋
雑
釈教
神祇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
105
《朝倉や木のまろ殿にわがをれば名のりをしつつゆくはたが子ぞ》という歌について、森の丸太小屋にいて誰かの「名のり=求婚」を聞いている詠み手は女だという折口の説を承けて、丸谷はさらに、少女が明け方の鳥の声を男の名のりに見立てて詠んだ歌とする。なるほど「名のり」を鳥の声だとするとこの歌は断然すばらしくなる。朝の歌だからこそ、夜を徹した歌舞ののち神が帰る際の神楽歌として採用されたという推測も見事だ。「朝倉」は地名ではなく「朝暗」つまり「暁暗」であるとも。本書のお陰で、空想を膨らませつつ和歌を味わう面白さを知った。2019/08/17
Haruka Fukuhara
8
いい本。著者自身、どうもこの本を後世に残すことに情熱を持っていたみたいで、当時何が代表作とされ今の評価がどうなっているか知らないけど、かなり力を入れた作品なのだと思う。かなり読み応えがある。当然まだ未消化だけど、ひとまず記録。2017/03/01
内藤銀ねず
6
新潮文庫にありますが、ただいま品切れ中。 いかに世の中に流布されている王朝和歌の解釈が一面的であるかよく分かります。生きた時代は違うものの、同じ日本人として言葉に残したいほどの感情の動きは何も変わりがありません。
ふ
4
美しい装丁、ずしりと重く、とても読み応えがありました。王朝和歌に疎い私でも、和歌を味わうためのの約束事、考え方を少し学ぶことができたと感じます。「…孤立してあるものではなく、その長い伝統のなかに位置を占め、歴史から養分を摂つてゐるゆゑこれほどの完成に到達することができた。…」(夏・順徳院) どの和歌にも当てはまる言葉だと思います。2018/03/25
あけの
3
改めて俊成の凄さというか天才さを実感しましたよ八代集読みたい! 死ぬまでに読めるかしら?2018/05/12