出版社内容情報
「深いところを突いている」。才媛の大胆な脚色に巨匠はそう感嘆した。唯一の共作となったドラマの全貌。
自作「駅路」の脚本を読んだ松本清張はニヤリと笑い、舌を巻いた。作家デビュー前夜の向田邦子は自らの秘めたテーマ〈家族と若き日の恋ほか〉を原作に見出し、脚本「最後の自画像」に密かに盛り込んでいた……。原作と脚本、関係者の証言と解題、向田の構想メモによって、不世出の二人が共鳴し、創りあげた世界を明らかにする。
内容説明
なに不自由のない男が家庭を捨て、失踪した。追う者と残された女たち…。昭和52年、NHKで放送され、平成21年、フジテレビでリメークされた名作ドラマ。不世出の二人の才気と真髄が刻まれた、空前絶後の共著。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
明治42年、福岡県小倉市(現北九州市小倉北区)生まれ。41歳で懸賞小説に応募し、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、昭和28年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞。昭和33年に刊行された『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生み、旺盛な創作活動の対象は古代から現代社会まで多岐に亘った。平成4年、病没。享年82歳
向田邦子[ムコウダクニコ]
昭和4年、東京生まれ。映画雑誌の編集者などを経て、脚本家となり、『七人の孫』『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『阿修羅のごとく』『あ・うん』等、多くの人気名作ドラマを発表。エッセイにも定評があり、また昭和55年には『花の名前』『かわうそ』『犬小屋』で直木賞を受賞した。昭和56年8月、台湾旅行中に航空機事故で急逝。享年51歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- ジャンプSQ. 2015年11月号