駅路/最後の自画像

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  • サイズ B6判/ページ数 158p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103204381
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「深いところを突いている」。才媛の大胆な脚色に巨匠はそう感嘆した。唯一の共作となったドラマの全貌。
自作「駅路」の脚本を読んだ松本清張はニヤリと笑い、舌を巻いた。作家デビュー前夜の向田邦子は自らの秘めたテーマ〈家族と若き日の恋ほか〉を原作に見出し、脚本「最後の自画像」に密かに盛り込んでいた……。原作と脚本、関係者の証言と解題、向田の構想メモによって、不世出の二人が共鳴し、創りあげた世界を明らかにする。

内容説明

なに不自由のない男が家庭を捨て、失踪した。追う者と残された女たち…。昭和52年、NHKで放送され、平成21年、フジテレビでリメークされた名作ドラマ。不世出の二人の才気と真髄が刻まれた、空前絶後の共著。

著者等紹介

松本清張[マツモトセイチョウ]
明治42年、福岡県小倉市(現北九州市小倉北区)生まれ。41歳で懸賞小説に応募し、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、昭和28年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞。昭和33年に刊行された『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生み、旺盛な創作活動の対象は古代から現代社会まで多岐に亘った。平成4年、病没。享年82歳

向田邦子[ムコウダクニコ]
昭和4年、東京生まれ。映画雑誌の編集者などを経て、脚本家となり、『七人の孫』『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『阿修羅のごとく』『あ・うん』等、多くの人気名作ドラマを発表。エッセイにも定評があり、また昭和55年には『花の名前』『かわうそ』『犬小屋』で直木賞を受賞した。昭和56年8月、台湾旅行中に航空機事故で急逝。享年51歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

19
清張「駅路」の一篇。定年後、軌道を外れて気ままな生き方を求める気持ちを、私も理解できるようになった。だが、そううまくいかないことも、直感で分かる。だから諦める。2023/03/18

ぐうぐう

12
確かに、向田邦子には、原作小説を脚色するという印象はかぎりなく薄く、事実、『あ・うん』や『寺内貫太郎一家』に代表される、オリジナル作家としてのシナリオライターというイメージが強い。実際、彼女は脚色を嫌ったと言う。しかし、松本清張の短編「駅路」を脚色した「最後の自画像」のシナリオを読むと、そのうまさに舌を巻く。大胆なアレンジ、それでいて原作の描かんとしているテーマをさらに深めたストーリーにセリフ。脚色の見本のようなシナリオだ。もしもの話をしてもしかたないのだけれど、(つづく)2010/12/03

ZEPPELIN

5
清張さんの「駅路」を読んだあとに、それを原作にした向田さんの「最後の自画像」の脚本を読むという贅沢な作品。男の哀しさを中心に置いた清張さんと、女の怖さと人間の不器用さを付け加えた向田さん。読まれることを想定している小説家と、視られることを想定している脚本家の違いも面白く、やはり情景をイメージしやすいのは向田さんの文章であると思う。ファンの贔屓目かもしれないけれど。とはいえ清張さんの文章も面白かったので、いくつか短編を漁ってみたい2015/06/03

アルラ

4
「平凡な永い人生を歩き、終点に近い駅路に到着した時、耐え忍んだ人生からこの辺で解放してもらいたいと願い、定年後の人生を愛人と過ごそうとして失踪した男の悲しい結末を描く」(広告文より)この原作と脚本を比べて読むと、巨匠はもちろんだが向田 邦子の才能が輝いている。昭和35年当時は、自分を犠牲にして家庭を背負い生きてきた男性の悩みが中心のストーリーだったのが、52年の脚本では妻と愛人女性の存在を大きくしている。そして愛人の女性自身が道を選択するのだ…そこに時代の流れを感じた。→続く 2010/07 読了2011/04/06

hiropon181

3
松本清張の傑作と呼ばれる短編小説「駅路」を向田邦子が脚本してドラマに仕立てた対比を楽しむ珍しい一冊。原作の雰囲気に自分は一票。2022/08/07

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