出版社内容情報
5億の金塊を追う堀内と伊達に、西日本中のワルが襲い掛かる――暴力と混沌の中でしか生きられない男たちを描くノワール小説の最高峰
内容説明
金は二の次。絡んだ糸をほぐして核心に迫る「捜査」が愉しいのだ―。白昼堂々起こった100キロ5億円の金塊強奪事件。かつては大阪府警暴対課の敏腕刑事だったが、今は警察を退職して無為な日々を過ごしている堀内信也は、刑事時代の相棒だった伊達誠一に誘われて、まだ押収されていない金塊の行方を追うことに。大阪から淡路島、由布院、小倉を経て名古屋へ―。事件の核心に近づいていく二人に、ヤクザ、半グレ、汚職警官、悪徳貴金属ブローカーたちが次々と立ち塞がる!暴力と混沌の中でしか生きられない男たちを描くノワール小説の最高峰。
著者等紹介
黒川博行[クロカワヒロユキ]
1949(昭和24)年、愛媛県生れ。京都市立芸術大学卒業後、大阪の高校で美術の教鞭をとる。「二度のお別れ」「雨に殺せば」でサントリーミステリー大賞佳作賞を連続受賞する。1986年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、1996(平成8)年「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞を受賞。2014(平成26)年『破門』で直木賞を、2020(令和2)年に日本ミステリー文学大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
238
黒川 博行は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。堀内・伊達コンビの最新作を読みました。シリーズはワンパターンではありますが快調に飛ばしました。気楽に読めますが、もっとサプライズが欲しかった気がします。、 https://www.shinchosha.co.jp/book/317402/2021/12/17
utinopoti27
154
2016年7月8日、福岡市内で白昼堂々、7億円相当額の金塊が強奪されるという事件が起きた。本件は半グレ集団の犯行とされ、一応の決着を見たが、未だその実態には不可解な点が多い。本作は、この事件をモチーフに、「ヤメ刑事コンビ」堀内と伊達が暴れまくる、シリーズ第4弾だ。コテコテの大阪弁を駆使した軽妙なしゃべくり、ご当地グルメ、徹底した悪党狩りの暴力シーンと、読みどころは多い。一見破天荒な行動原理ながら、社会のルールはきっちり守る彼ら。腐っても鯛、熔けても警察官といったところか。二人の活躍に今後も注目したい。2022/02/04
修一朗
121
堀内・伊達コンビの第四弾は,いつも通りの安定感でいつも通りの面白さ。BMW-Z4を駆使して西日本を走り回ります。追いかけている間ずっといいもの食ってます。血糖値を気にする身としては大丈夫かよとよけいな心配をしてしまう。今回は金塊の密輸と偽装強盗。実際のモデルがいるので今回はあっさりめだ。堀やん誠やんの立場では海外マフィアとやりあう図式にはしずらいもんね。綿密な取材のもと犯罪の手口裏口をレクチャーしてくれて勉強になる。推敲を尽くしたテンポ抜群の文章,堪能しました。2022/01/21
あすなろ
109
わしらはチームなんや。一蓮托生、二人三脚、共に白髪の生えるまでや。そんな掘りやんと誠ちゃんのコンビがBMWのオープンカーを駆り、大阪から九州そして北上し岐阜迄と縦横無尽に駆ける。相変わらず面白い黒川氏独特の浪速リーダビリティ満載の475頁。満足でした。そしてこれはもしかして新シリーズ化ですかね。作中にちあきなおみを掛けてくれ、なんて台詞があるが、僕からすると黒川氏作品はまるでやしきたかじんの世界で時折読みたくなる魔力を秘めています。2021/12/19
まちゃ
104
大阪府警の元マル暴刑事・堀内と伊達のコンビが消えた5億の金塊を求めて西日本を駆け巡るクライムサスペンス。汚職警官、ヤクザ、反グレ、悪党どもの壮絶バトル。殴る、蹴る、脅す、騙すのノワール小説なのに、伊達のモーニングコールと、食道楽にニンマリ。最後まで飽きさせない一冊。楽しめました。2022/01/11