拉致と決断

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103165323
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

監視下の生活、偽装経歴、脱出の誘惑、戦争の恐怖、飢餓と配給、電撃帰国の真相……「北」での24年間を初めて綴った、迫真の手記!

内容説明

「北」での24年間を初めて綴った迫真の手記!監視下の生活、偽装経歴、脱出の誘惑、洗脳教育、’94年核危機と開戦の恐怖、検閲を潜った親父の写真、飢餓と配給、電撃帰国の真相…感涙のドキュメント。

目次

絶望そして光―このまま死ぬわけにはいかない
人質―日本に引き留めようとする家族とも「戦わ」なければならなかった
自由の海に溺れない―日本の自由は、私たちに興奮と戸惑いをもたらした
自動小銃音の恐怖―この地の戦争に巻き込まれ、犬死するのが口惜しかった
生きて、落ち合おう―これは父さんとおまえだけの秘密だよ
煎った大豆を―配給が途絶えたという話が耳に入るようになった
飢えの知恵―その男は小魚をわしづかみにして、洋服のポケットにねじ込んでいた
配給だけでは食えない―私はトウモロコシが一粒落ちていても、拾うようになった
望郷―丘の景色のむこうには、海があるような気がしてならなかった
誘惑―川幅わずか三メートル。一、二、三歩で逃れられる!〔ほか〕

著者等紹介

蓮池薫[ハスイケカオル]
1957年新潟県柏崎市生まれ。新潟産業大学専任講師。78年中央大学法学部三年在学中に拉致され、二十四年間、北朝鮮での生活を余儀なくされる。2002年10月15日、帰国。中央大学に復学。08年3月、中央大学を卒業。09年、『半島へ、ふたたび』で新潮ドキュメント賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

62
拉致されてからの招待所での24年間が描かれていました。帰還された時のバッジ着用等、不審な点がすべて北に残されていた子供を思っての事だったとは。子供のために在日朝鮮人だと偽り、工作員にされない為に日本語を教えなかった等、北で生きていかざるを得ない将来を考えての様々な努力が胸をうちます。また今にもアメリカと戦争が始まると、戦時体制をとっていた頃の話では、戦時中の日本を思い浮かべました。ここまで戦時体制をとっていたとは!しかも国民は最後まで徹底抗戦をしろと教育されていた。自らの国民の命を・・・哀しい。2015/09/21

美紀ちゃん

48
北朝鮮の文化や食糧事情、国の方針等が馴染めず、もやもやした気持ちで読んだ。まだ北朝鮮に残されている拉致被害者が、早く日本へ帰国できるように、日本政府はもっと働きかけてほしい。2013/01/06

きさらぎ

47
率直な感想を言うと、想像よりマシな暮らしぶりが描かれていて、少しだけほっとした。 少なくとも飢えとか密告とかの命の危険はなかったようで、北朝鮮の一般市民と比べると恵まれた生活をしていたようです。 とはいえ、拉致された時点でこれ以上ない地獄。帰国してから子どもたちを日本へ迎えるまでに1年7ヵ月もかかっていたんだ。その間のご家族の苦しみは言葉にできません。現在日本で幸せに暮らしていることを祈ります。2018/04/10

meg

30
拉致。生き延びるためにどうしたらいいのか、何をしてはいけないのか、誰にも聞けない過酷な状況。言動や心の中まで監視されている毎日。蓮池薫さんが24年間、考えて考えて行動してこられたことの一部を、この本で読むことができる。ご一家が帰国できたのは、運が良かったからだけではない。並外れた知性と精神力と家族を想う心と、こんな理不尽に対する負けん気と。どれが欠けても、いわば地雷だらけの生活を生き延びて、一瞬の帰国のチャンスを得ることは難しかったにちがいない。そんな馬鹿なと怒るだけではなく、何が出来るかを考えなくては。2013/09/20

ぼちぼちいこか

29
北朝鮮に拉致され24年間、北朝鮮で生活をし、日本に帰国するまでのいきさつとその思いを書いた本。しかし、まだほかにも拉致被害者がいて北朝鮮に残されていることを思うと迂闊なことはいえないのであろう。行間からひしひしと伝わってくる。独裁者国家。恐るべき。私たちが出来ることは拉致被害を決して忘れず、拉致された人たちが全員帰国するまで声をあげるしかない。2023/04/11

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