出版社内容情報
孤高の山岳写真家が半世紀にわたり追い続けた“神の鳥”ライチョウの知られざる生態と、日本アルプスの壮大な風景を併せた写真集。
内容説明
80歳を超えてなお厳冬期の冬山に分け入る孤高の写真家が、半世紀にわたり追い続けた“神の鳥”ライチョウ。ライフワークである日本アルプスの壮大な風景と共に綴る、写真家・水越武の「山恋の歌」、ここに完結!
著者等紹介
水越武[ミズコシタケシ]
1938年愛知県豊橋市に生まれる。1958年東京農業大学林学科中退。その後、田淵行男氏に師事し写真を始める。1991年写真集『日本の原生林』で日本写真協会賞年度賞受賞。1994年写真集『HIMALAYA』などで講談社出版文化賞写真賞受賞。1999年写真集『森林列島』で第18回土門拳賞受賞。2009年写真集『知床 残された原始』などで平成20年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マリリン
50
入山して五日目、冬山でも好奇心の向くままに自由に歩く。寝込んでいるうちに雪に埋もれていく雷鳥に寄り添い撮る。...深い愛情を感じる。温度変化を察知した?ホルモンにより変化するライチョウの羽色。雪の如く白く足元まで覆う量感がある冬毛や、徐々に赤い肉冠に変わる雄の姿。急な雪渓を横断する姿や、縄張りに佇む雷鳥の姿は凛として気高く逞しい。写真と文字から厳冬の北アルプスの情景が伝わってくる。山や植物の写真も心和む。雪崩にあい凍傷になり、落雷を感じ、身動きできない気象条件の中、孤独に過ごす姿は熟練した山ヤを感じた。2022/01/16
booklight
27
なんでみんなライチョウライチョウっていうんだろうと思っていましたがわかりました。日本ではライチョウは神の鳥として崇められてきたので、ライチョウにとって人は外敵ではないので、近寄っても逃げない。でも高山にしか生息しない、という希少性がグッとくるんですね。カメラマンが30年ぶりに出したライチョウの写真集なので素晴らしい写真が色々。ライチョウだけでなく、厳冬期の日本アルプスの写真や小文、野草などの写真や歴史・地理的な視点も盛り込んであり、様々な観点から楽しめます。深雪に埋もれるライチョウの黒がいいですね。2022/06/04
aloha0307
23
ライチョウ...特別天然記念物&絶滅危惧種 その生態、歴史的関係、文化史etc.様々な角度からのアプローチ 目がくりっとしててかわいいね♡ 羽毛~冬:純白 と 夏:濃い茶色の繊細な細かいグラデーションの対比に👀 北アルプスは生命を拒絶する氷の世界(静寂...) そこに棲むライチョウはまさに神の遣いのようです✿2020/08/01
も
1
読み進める中でなにか引っかかると思ったら、著者の出身地が自分の出生地と同じだった。2021/11/23
lonely_jean
1
日本の雷鳥は人懐こいという事実がいちばん衝撃的だった。寒いのが苦手なので、自分が雪深い高山に行くことがあるかどうかはわからないが、近づいて撮影できるとは。賢そうでかわいらしい鳥が減少しているとは残念。トキのように、手遅れにならないでほしい。愛好家や研究者の努力が実ることを祈る。2020/10/04