出版社内容情報
筒井康隆八十歳、文学の帝王にして道化、巨匠かつ最前衛。老人文学の臨界「ペニスに命中」、SFと震災の融合「不在」等驚異の傑作集
文学の道化にして帝王。この男のおかげで世界は黒い嗤いに満ちてきた――。巨匠、八十歳。なおも最前衛に立ち、小説の沃野を拡げ続けた末の、悪夢のように甘美で刺激的な果実――。老人文学の臨界点「ペニスに命中」、SFと震災の感動的な融合「不在」、二千以上の三字熟語が炸裂する「三字熟語の奇」、最新の文学理論の小説化「メタパラの七・五人」など、異常なまでの傑作短篇集。瞠目せよ、刮目せよ!
内容説明
筒井康隆、80歳。文学の道化にして帝王。なおも沃野を広げ続ける、異常きわまる傑作短篇集。さらに瑞々しく、さらに戦闘的に―。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
103
面白かったです。80歳にして小説の最前線に立っているのを思わせる短編集。文学の道化師として小説の沃野を広げ、悪夢と甘美の入り混じった刺激的な作品の数々に楽しまされること請け合いです。奇妙な味、スラップスティック、ドタバタメタフィクションにエロまで様々な色合いの作品にのめり込むしかありません。優しい表紙と反して内容はかなり手強く癖がある。これぞ筒井康隆だと思わずにはいられませんでした。2016/11/22
山田太郎
73
しかし、本当に80歳なのかと驚く。面白くないと言えば読解力がないと言われそうだし、面白いといえば本当にわかってんのかと怒られそうで怖い。批評で一番面白いのは悪口というのに納得。こんなのつまらないとかいうのが一番面白いもんな、やっぱり。2015/06/11
いたろう
57
10編の短編集。筒井御大、八十歳にして、ますます不敵。表題作を中心にドタバタに爆笑。様々な差別をブラック・ユーモアにした作品を書けた昔が懐かしいと作中で作者自身が語る「奔馬菌」、自作の過去のメタフィクション作品に言及するメタフィクション「メタパラの七・五人」、これは小説か、はたまた自作論か。そして、小説中に作者が登場し、フィクションと現実の境目が曖昧になるメタフィクションから、その本を読んでいる読者を小説の中に取り込もうとするパラフィクションへ。御大の今後の本格(?)パラフィクション作品に大いに期待。2015/12/28
tama
57
図書館本 新刊案内で 予約してちょっと待った。よかったぁ、筒井ファンはオラ以外にもいるんだ~ かつての乱暴力が作品に戻ってきているみたいで嬉しい!「三字熟語の奇」の無造作以降の暴れ方の凄さ。手料痢って不潔な料理人が作ったもの食べて腹を壊すことだよな。閉口線は絶対妥協しない相手との交渉でしょ。交代子はヤバくて意味を書けない。 絶対にテレビドラマ化されることはない作品たち。判り易い「オチ」なんていう安っぽいものを期待するな!最後の章を読んでイリヤ・ムウロメツ未読に気づく。読まなきゃ。2015/12/18
ひさか
49
2015年4月刊。月刊誌発表の11編の短編集。80歳なんだそうです。スザマシイと言える筒井文学の成果です。これだけ揃うと破壊的で、頭が爆発しました。雰囲気ば残りました。2015/10/01
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