出版社内容情報
これが海外の「貧困」の現実だ。
雨期には道が消える。病院まで200キロある。村ごとに言語が違う。もちろん店など1軒もない。最大の夢は「満腹になること」。それが「僻地」である。
内容説明
アフリカのある地域では、雨期になると道が消える。しかも病院まで二百キロある。だから金がない者は死ぬ。最大の夢は「満腹になること」。アジアのある村は「地雷除去」が最大の産業―これが「貧困」であり「僻地」である。作家の冷静な視線が日本の「格差社会」を嗤い飛ばす、衝撃のレポート・エッセイ。長期人気連載「夜明けの新聞の匂い」(「新潮45」)最終巻。
目次
指さす少年
復讐代理人
或る修道女の帰天
或る変容
一番怖い批評家たち
愚かな旅支度
定年以後
李登輝氏の靖国参拝
僻地とはいかなる場所か1
開校式の日 僻地とはいかなる場所か2〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
17
挫折。ルポかと思ったら、エッセイだった。なかなか偏った考えと感情的な文章で挫折。2016/12/22
akir@t
3
著者が実際に見た途上国の惨状と現実。しかし、彼らの国が日本のように発展したら果たして本当に幸せなのだろうか、という疑問。淡々と、しかし、力強く、出来ることをしていく著者の姿勢に感動する。2011/11/13
柴モモ
2
中には少々偏った考え方だなと思う部分もあったけれど、地図を見てもどこにあるかわからない僻地の町や村まで実際に出かけて行く曽野さんに対して、本を読んだだけで軽々しく批判はできないと感じます。信仰があってこそとは言え、多くのシスターが遠い異国の地で奉仕されている現実は、この本を読まなければ知ることが出来ませんでした。改めて自分はどんなに恵まれた環境で生活しているのか、そのあまりの違いが大きすぎて実感できないほどです。賛否両論あると思いますが一読の価値はありました。2014/10/26
りょうこ
2
少しずつ読み進めて途中まで。また借り直してこようと思います。2012/01/30
あきこ
2
世界中の貧困や汚職、曽野さんはいつも全力で向き合っているということがすごい。世界の貧困や汚職について何かしようと思う?思わないと思う。自分の力ではどうしようもないと決め付けるから。でも、自分の力の範囲で努力するシスター達の姿や名もなき人々の活動が日々地球のどこかでおこなわれているんだ。もっともっと知れ渡ったら少しずつ世界は変わるかもしれない。変わらなくても知っていると知らないで過ごすのは違うにちがいない。2011/02/02