かくれ里 (愛蔵版)

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  • サイズ A5判/ページ数 349p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784103107194
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0070

内容説明

高度成長に沸く時代、近江、京都、大和、越前の「かくれ里」を歩き、古典の美と村人たちの魂に深々と触れた白洲随筆の代表作。初版から39年を経て、カラー写真と地図を大幅に増補した待望の新版完成。

目次

油日の古面
油日から櫟野へ
宇陀の大蔵寺
薬草のふる里
石の寺
桜の寺
吉野の川上
石をたずねて
金勝山をめぐって
山国の火祭
滝の畑
木地師の村
丹生郡都比売神社
長滝 白山神社
湖北 菅浦
西岩倉の金蔵寺
山村の円照寺
花をたずねて
久々利の里
田原の古道
越前 平泉寺
葛川 明王院
葛城のあたり
葛城から吉野へ

著者等紹介

白洲正子[シラスマサコ]
1910年東京生まれ。幼い頃より能を学ぶ。十四歳で米国留学し、28年帰国、女性として初めて能舞台に立つ。29年白洲次郎(1902~85)と結婚。43年、初の著書『お能』を刊行。以降、古典文学、工芸、骨董、自然などについて随筆を執筆。『能面』『かくれ里』(ともに読売文学賞受賞)など著書多数。1998年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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さつき

71
主に関西方面の「かくれ里」をめぐる旅。関東者の私にとっては、出てくる場所全てが憧れの地でした。平家の落人のように有名な伝承をはじめ、志貴皇子、惟喬親王、光厳天皇、自天王、北条氏直…さまざまな人々が隠れ住み、追いやられ、押し込められていた場所だと思うと悲しさも感じますが、挿入される写真を見ると、ただただ美しい。あとがきの日付は昭和46年であることを思うと、著者が描いたこの世界は、もはや紙の上にしかないのかもしれない、と感傷的な気分にもなります。2020/08/31

なお

37
『かくれ里』の名にふさわしいようなひっそりとした真空地帯があり、そういう所を歩くのが私は好きだと白洲さんはいう。それは歴史の中で忘れられていく人々の跡を訪ねる旅のようでもあった。吉野、琵琶湖の周辺には古からの物語が多い。争いに敗れた王族の逃れた地には伝説が残り、大切に祀られている。著者は世にいう史実とか史料より、伝説という土地の物語を信じたいという。大和発祥の地である明日香の葛城には御陵や宮跡が密集する。古事記や日本書紀は神話や伝説を纏めた物で作り話ではない。その痕跡が残る場所で二千年の昔を想うのである。2025/03/27

紫羊

16
白洲正子さんが心動かされた「かくれ里」の数々。容易には行けないところが多いのですが、ひとつずつ訪ね歩きたいと思いました。旅心を誘う珠玉の紀行エッセイです。2017/06/30

らむだ

9
芸術新潮で2年間連載された随筆。“かくれ里”をテーマに、近畿地方の寺社仏閣・旧跡を辿る。愛蔵版では図版や周辺図が追加され本書の魅力を倍増させている。2024/10/16

おとん707

8
「山里の美しい自然に、人知れず息づく伝承、悲哀の歴史、美の余香……。」と帯に書いてあるのに惹かれてかくれ里を訪ねる紀行エッセイのつもりで読んだが、確かにその通りではあるが、文章の大半は古代からの伝承と渡来した仏教との融合で発生した文化をかくれ里に発見した筆者の内なる感情の吐露であり、正直言って難しかった。奈良時代以前の人名が多く出てくるがその知識がなく、また漢字の読みすら覚束なく目が活字を追っただけになってしまった。半世紀も前の紀行文で今も当時のままか分からないが、勉強したうえで訪ねてみたい気はする。2021/02/27

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