内容説明
老獪・家康の策謀は、三成率いる西軍陣営をどの様にして崩壊させたか?両雄の権謀の渦中で、戦国武将たちは如何にして明日への命運を繋いだのか?―天下取りの見果てぬ夢を求めて〈関ヶ原〉に結集した武将たちの人間群像とその栄枯盛衰を描く一大歴史絵巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハッチ
25
★★★★★映画化に伴い読んでみた。司馬遼太郎先生の超大作。関ヶ原の戦いに関係する歴史小説は数あるけれど全ての雛型になっているのではないかというぐらい、関係する武将を拾っている。個人的には筆者目線は好きではないが、この作品に限ってはありだと思う。てか、そう言う目線もないと文量がハンパなくて読めない。義に生きる漢三成、理に生きる漢家康。今で言えば義が建前であり、理が情ではないか。映画を観る前に読むのもいいかも。ちなみに私が読んだハードは1ページ上下段で750ページ。軽く筋肉痛になります。2017/08/31
daimonn
13
もう…すごく良かった!傑作!頭脳明晰、憎まれる程の強すぎる正義感を持ち、人の気持ちを理解するのが苦手な三成の、不器用でまっすぐな生きざまに危うい物を感じつつも、多分それゆえに惹きつけられた。その三成という人を誰よりも理解し、最期まで付き従った島左近、さらに三成と友情という絆で結ばれ、義を貫いた大谷吉継。二人ともかっこよすぎてシビれます。この二人がいてくれてホント良かったよなぁ。最後の章では三成の思いが少しなりとも救われたようで思わず涙。2014/06/02
Keystone
13
とにかく分厚くて、どんな体勢で読んでも重くてたまらず、首を痛めてしまったほどでしたが、面白かった。島左近と大谷吉継のカッコいいこと。空気の読めない嫌われ者三成に、肩入れしたくなってしまいます。脇役たちの小さなエピソードまで非常に面白くて、結末を知っていても全く飽きることない一冊でした。2013/09/03
ナオデラ
12
やはり開戦してからの勢いは凄まじい。がそこに到るまでの諸勢力の思惑などを細かく書き連ねる事によっての緩急。古代中国史に良く出てくる「義」と言う概念が乱世の武士には浸透していなかったのは意外。利によって動く武士と100石の恩で義挙を行う農民の対比が皮肉。人間的に青臭い三成を見守り続ける島左近の母性。2014/02/24
uskmal
11
久々に司馬遼太郎を読んだ。 三成はともかく、宇喜多秀家が頑張ったと思った2017/10/29