内容説明
こころの奥底にひそむ恐れを描いて、不思議な余情をのこす「夢一夜」、意外にも実在していた火星人と地球人との得もいわれぬ甘美なセックスが地球の未来をかえるという大妖作「火星人記録」など、ユーモアと奇想にみちた多彩な12篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みん
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北杜夫の初読だった。本著は短編小説集であり、短編小説といえば星新一や乙一の様な意表を突く結末が想起されていたのだが平たい結末のまま終えることが多かった。が、素材としては異星人や話す動物を扱ったりと星新一に似ていたと思う。 特筆すべきなのは文体で、私は巫山戯た内容を堅い文章で書き包みそれらしいことを言っている文章が好きなのだが、堅い文章でも言い回しもテンポもよく、落語家のような流暢な調子であり、1日で読めてしまった。物語の中に筆者自身の作品や意見が出てくるような仕掛けも面白かった。2014/01/02
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