内容説明
先天性の視覚障害で幼少時に視力を失った小林深雪は、スキーの才能を見出され、長野、そしてトリノのパラリンピックでもバイアスロンの金メダリストに輝いた。音で的の位置を判断する射撃で、小林は驚異的な命中率で他国の選手を凌駕し、トリノの金を射止めたのだ。その過程には、強化プログラムをゼロから構築した日立システムスキー部の存在があった。この新鋭企業チームがパラリンピック金メダル獲得のため「センターポール作戦」を立ち上げ遂行したのは何故だったのか。小林深雪というトップ選手と彼女をめぐるプロジェクトの軌跡から、もはや「福祉の延長」という言葉では括れない最先端の障害者スポーツの世界を浮き彫りにする、異色のドキュメント。
目次
プロローグ 「進化の象徴」としてのトリノの金メダル
第1章 日本で初めての冬季パラリンピック
第2章 深い雪の中で
第3章 停滞と転換
第4章 日立システムスキー部の「夜明け」前
第5章 金メダル獲得プロジェクトの結実
エピローグ プロジェクトは続く
著者等紹介
宮崎恵理[ミヤザキエリ]
1960年、東京都生まれ。出版社勤務を経て、フリーのライターに。1998年の長野パラリンピックの前年頃から障害者スポーツの取材に携わり、雑誌「ターザン」の連載「我ら、ハンディキャップ・ターザン!!」を中心に執筆。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
38
トリノパラリンピックの直前まで、選手に対する援助が無いに等しく、遠征合宿に行く費用もなくて行かれなかった深雪さん。視覚障害者のガイドを務める人の遠征費も選手負担とは驚きました。そんな時に全日本監督だった荒井さんが小まめに企業へアプローチを誠実に真摯に続けた結果が実を結びます。こちらの企業の素晴らしいところは、現役引退後も社員として残れるという事です。感動しました。個人の時間の殆どを使って勝ち取った栄光。そして引退を迎えると、路頭に迷う場合もあるアスリートの世界。真のサポートの姿がありました。2018/03/05
miraiocoo
16
心に響く一冊です。 若干、涙を流しながら読みました。 是非、読んで下さい。2015/10/08
takao
1
ふむ2023/07/28
あこぶ~
0
興味深く読み進めているものの、単行本なので持ち歩くのは重くて家でしか読んでなく、予約本が届いてしまい貸出枠が満タンなので、途中だけどこれも返却します。もっかい予約し直そう。2019/03/28