人柱はミイラと出会う

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103046714
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

留学生リリー・メイスは、日本で不思議な風習を目にした。建築物を造る際、安全を祈念して人間を生きたまま閉じ込めるというのだ。彼ら「人柱」は、工事が終わるまで中でじっと過ごし、終われば出てきてまた別の場所にこもる。ところが、工事が終わって中に入ってみると、そこにはミイラが横たわっていた。黒衣、お歯黒、参勤交代―。パラレルワールドの日本で展開する、奇っ怪な風習と事件の真相とは。

著者等紹介

石持浅海[イシモチアサミ]
1966年愛媛県生まれ。九州大学理学部卒業。1997年『本格推理11』に、短篇「暗い箱の中で」が収録される。その後、数編の秀作短篇を発表し、2002年、光文社カッパ・ノベルスの新人発掘企画「カッパ・ワン」で『アイルランドの薔薇』が選ばれ、長編デビュー。独特な題材の選び方と、それと密接に結びついた論理性の高い作風で、幅広い読者を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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momi

40
石持さんの作品三冊目!!これは面白かった!!何が面白いかって…設定!!本当良くこんなことおもいつくなぁ〜と関心してしまいます。日本の昔からある「風習」を題材にしてミステリーにしてしまう作者!「人柱」「黒衣」「お歯黒」「厄年」他三作品の短編集!一つ目の話に出てくる「人柱職人」が、二つ目のからの作品の事件を解決していくと言う連作になっています!「人柱職人」とは…土地の神様を怒らせないために「人質」として建物の基礎部分ににこもる仕事をする人のこと…。ねっ!ワクワクするでしょ〜。サクサク読めて楽しかったです!2013/06/26

こっぺ

31
パラレルな日本のパラレル日常系(ヒトも死にますが)連作ミステリ。人柱が職業としてあったり、既婚女性はお歯黒。国会議員などには一人一人に黒衣がついていたり、厄年にはもれなく一年間強制的に休暇があったり。かなりのパラレルっぷりに「う?」と戸惑うが、主人公の留学生のリリーも一緒に戸惑ってくれるので安心である。和風SFミステリといったところ。そしてこのオチも素晴らしい。【図】2013/03/28

NOBU

29
現代日本に「人柱」「お歯黒」「参勤交代」等の風習が生きている、という設定が面白い。出てくる事件は殺人なのにずいぶん軽妙な物語なのが又不思議なのだけどね。 警察鷹として犯人検挙をする「鷹匠」の話が好き。2011/08/17

朱音

27
おもしろい~!ある意味パラレルワールドモノ。パラレルワールド設定で面白いのは、ある一点だけ違っていて他は日常と同じでリアリティがあること、に尽きるとおもうのだけれどそのあたり抜かりは無い。人柱・お歯黒・鷹匠・黒衣・参勤交代が存在する世界だがその他の生活は現代日本とさほど変わりが無いのだ。ミステリのネタ自体もなかなか面白かったけど、鷹匠のラストはイマイチだなぁ。続編・アメリカヴァージョンもあったら面白いかも。ラストにちらっと出てきたけど、このキャラ達ともうちょっとお付き合いしたい気分だ。2010/11/11

チャコ

25
日本ならではだけど、現代では行われなくなってしまった伝統をモチーフにした短編ミステリ。どれも実際にありそうな気がしてきちゃいます。参勤交代とか特に。個人的には厄年休暇は是非導入してもらいたい笑。今作はパラレルな現代の日本が舞台になっていて、更に登場人物の魅力もあって、なかなか面白く読めました。場所や国が違えば、風習も違うのは当たり前だけれど、そこをユニークな物語として完成させる石持さんは凄いなと思いました。最後のイースターは洒落たオチだったな。2014/01/12

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