出版社内容情報
寺山修司・85歳、アイドルをプロデュース!? 歴史のイフに基づく痛快長編! 若者たちのカリスマにして元祖・マルチクリエイター、そして稀代のスキャンダリスト。寺山修司が今生きていたとしたら――アイドルグループをプロデュースする!? 寺山のもと、少女たちが令和の日本を駆け巡り、停滞した世の中をひっくり返す! 寺山の再発見という知的興奮にも満ち満ちた、著者渾身の痛快エンタメ長編。
内容説明
アイドル志望の女子高生・深井百合子は、寺山修司がプロデュースするグループ、その名も「TRY48」に応募する。さらに、寺山を知るため「サブカル部」で知り合ったメガネ女子・サブコのレクチャーを受けることに。彼女の知と言葉に導かれ、少女たちと物語はいつしか異次元へと突入する―。最高にスキャンダラスで知的興奮に満ちた、著者渾身の傑作長編。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
34
★★★✩✩小説の姿を借りた寺山修司論とアイドル論。内容を知らなかったけど表紙の目を見ただけで寺山だと分かったマニアックな自分を褒めたくないな(笑)。高校の演劇部の先輩が天井桟敷に入って寺山最後の弟子と呼ばれているくらい、自分には寺山は身近と言うか意識する存在だった。寺山が昭和58年に死なず今85歳にしてアイドルグループをプロデュースするif世界物。まあ才能に溢れていはいたのだろうが人間としては側にいて欲しくない存在であるよな(笑)。それにしても寺山の口を借りてにしろこんなに人をディスって大丈夫か?(笑)2023/05/20
信兵衛
25
とにかくまぁ、怒涛の如く、そして狂乱の如きストーリィ。 寺山修司という人物、その事績はそうしたものだったのか、と思う次第です。2023/03/03
道楽モン
19
寺山修司の伝承にはやはりフィクションが似つかわしいということなのでしょう。メタフィクションとしての偽史でありP.K.ディック『高い城の男』的「もし〜だったら」を破天荒にエンタメ化していて、時々ゲラゲラ笑ってしまった。寺山修司と並行して、筆者によるアイドル論も展開されており、両者合体は必然であり、小説化することで中森明夫の評論家人生の総括の様だ。個人的に寺山修司の短歌が大好きなのだが、この作品では剽窃扱い(まあ本当だけど)で笑ってしまった。島田雅彦も気の毒すぎる。後半に超弩級のスペシャルゲストあり(笑)。2023/03/13
臓物ちゃん
13
「昭和の啄木は生きていた!河北総合病院での生還から更なる研鑚を積みアングラ演劇がアイドルグループとして甦った!85歳!寺山修司だァ――――!!」朝まで生テレビに出演し麻原彰晃と仲良くなりデスノートのLの葬式を開く寺山が存在する偽のサブカル史をファクターに、もはや通用しなくなったAKB48的な想像力を超越するためにアイドルの半世紀を総括してみせた炎上必至なマルチバースサブカル小説の大傑作!資料をミッチリ読み込んだ歴史改変SFのえげつない完成度には感涙。松田青子『持続可能な魂の利用』と併せて読みたい一冊。2023/02/14
そうたそ
9
★☆☆☆☆ 寺山修司がアイドルをプロデュースする話、というストーリーに惹かれて読んでみたが、作品のノリに全くついていけず……。相当マニアックに書き込まれた部分(寺山修司論的な部分や、アイドルの話題など)は読み応えがあるだろうし、好きな人は好きなのかもしれないが、個人的には読むのが辛かったかも。2023/06/02
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