出版社内容情報
神生島は初の普通選挙に揺れ、投身心中の名所になった。やがて平和な島にも容赦なく戦争の足音が近づく。驚異の大河小説、第二弾!
内容説明
初めての普通選挙、島の英雄の死。血族の営みの影で、時代は動いていた。栄えつつある島に、容赦なく戦争の足音が近づく。島に生きた、ある一族の150年。激動の第二幕へ!
著者等紹介
貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968年東京都生まれ。早稲田大学卒。93年、鮎川哲也賞最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年、『乱反射』で日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
238
貫井 徳郎は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。先日読んだ上巻に続いて中巻です。今巻は、大正デモクラシーから昭和、終戦まででした。オススメのエピソードは、『第九部 ご落胤騒動始末』です。 続いて下巻へ。 トータルの感想は、下巻読了後に。 https://www.shinchosha.co.jp/book/303874/2021/10/25
のぶ
122
全三巻の二巻目。本作で描かれる時代は、大正の関東大震災直後から、太平洋戦争終局まで。入っている6つのエピソードはすべて神生島での出来事で、流れは上巻と変わらず、「一ノ屋」一族の人たちが中心になっていて、第一話(第八部)の「第一回男子普通選挙」は一ノ屋と競合するもう一つの名家との争いが中心になっていて面白かった。その他の話でもユーモラスな内容で、笑いたくなるようなことが多く語られているが、最後、十三部の「子供たち」は戦争の最中の話で、一ノ屋の何人かも犠牲になり悲惨だった。全体を通しても面白く読んだ。2021/10/02
ウッディ
116
初めての普通選挙、隠し子の出現、神生山火口への身投げと幽霊騒動、超能力少女の見世物など、日本の歴史や流行の大きなうねりの影響を受けながら起こる島の出来事を描きながら、戦争という嵐に巻き込まれて行きます。今回は、「オカルト」や「インチキ」を取り上げた内容が多く、本物かと思わせてインチキだったり、その逆があったりと、イチマツの血に由来するものは少なかったが、サクサク読めてしまうリーダビリティはさすがでした。自分が生きた時代とオーバーラップしてくる戦後の島の出来事はどんな風に描かれるのか、下巻も楽しみです。2022/01/26
ゆみねこ
98
昭和の時代になり一ノ屋の一族から初の普通選挙に立候補を決意した孝太郎。一橋産業の創業者・平太が死去し本土から平太の娘と名乗る少女が現れる。若い男女の火口での心中が相次ぎ幽霊騒動まで…。千里眼を売り物にする家族、そして戦争が多くの命を奪う。下巻は戦後編、物語はどういう結末を迎えるのか?2021/10/21
pohcho
79
時代は大正から昭和へ。イチマツの孫世代が描かれる。隠し子騒動は、四兄妹のやりとりが面白かった。結末はちょっとびっくりしたけど、豊子のその後も気になるところ。後半は太平洋戦争。「子どもたち」は子供時代のエピソードが微笑ましいだけに、大人になってからの悲惨さが心に迫った。のどかな離島が焼き尽くされてしまったのはあまりにも悲しい。それでも生き残った者は、亡くなった人の分まで生きていかないといけないんだね。下巻は戦後から平成、令和へと続くのだろうか。楽しみ。2021/11/24
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- T. O. C.