影に対して―母をめぐる物語

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影に対して―母をめぐる物語

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103035244
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

新発見小説!「人生」を追い求める母、「生活」を重視する父。二人が別れた時、幼い息子は――。遠藤文学の鍵=〈母〉を描く作品集成

内容説明

完成しながらも発表されず、手許に残された「影に対して」。「理由が何であれ、母を裏切り見棄てた事実には変りはない」しかし『沈黙』『深い河』などの登場人物が、ついにキリストを棄てられなかったように、真に母を棄て、母と別れられる者などいない―。かつて暮した街を訪ね(「六日間の旅行」「初恋」)、破戒した神父を思い(「影法師」)、かくれキリシタンの里を歩きながら、(「母なるもの」)、失われた“母”と還るべき場所を求め、長い歳月をかけて執筆されて全七篇。

著者等紹介

遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923‐1996(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

106
昨年、偶然発見された未発表作品「影に対して」。複雑な家族関係に悩んだ遠藤周作さんの母への思いが深く塗りこめられた表題作とともに、七編の作品が収録されている。日々ヴァイオリンの練習に没頭する烈しい性格の母が、夫に棄てられ、その苦しさを慰めるように信仰に打ち込む日々を経ての突然の死。遠藤さんのお母さんへの複雑な思いを通じて、親子とは、夫婦とは、信仰とは何かを考えさせられる味わい深い作品ばかりである。遠藤さんの小説家としての「巧さ」にも、改めて舌を巻く。私はこういう小説が好き。深く心に残るとてもいい一冊だ。2021/01/31

kaoru

88
遠藤氏の自伝的作品である『影に対して』。バイオリンに打ち込む情熱的過ぎる母と凡庸を良しとする父の間で煩悶する少年。強い信仰と共に生きた母と別れて父と住んだことで「母を裏切った」という罪悪感を抱き続ける。高い理想を求めて死んだ母が遠藤氏の人生を決定づけたのだろう。彼の文学の深刻さとふざけた言動とのギャップが理解できず、代表作もそれほど読んでこなかったが、新たな視点でそれらに向かい合うことが出来そうだ。母に決定的な影響を与えた司祭のその後の人生を語る『影法師』、母の秘密に触れた『六日間の旅行』、隠れ切支丹の→2021/10/19

ネギっ子gen

69
2年前に発見された未発表の中篇小説『影に対して』を始め、母を描いた7作品を編集部がセレクトして収録。見返しに、遠藤周作文学館所蔵の『影に対して』の自筆草稿。表題作の主人公の名である「勝呂」に注目したい。本書にも所収された『雑種の犬』や、話題作『スキャンダル』でも主人公で登場。前者では若く売れない小説家、後者では功成り名遂げたキリスト教作家として描かれている。いずれもクリスチャンであり、小説家でもあることから、遠藤の分身と言えようか。そして重要なのは、代表作『海と毒薬』でも「勝呂」医師として登場すること。⇒2023/02/21

雪月花

62
2020年6月に見つかった未発表の表題作と1960-70年代に発表された母にまつわる短篇6篇が収められている。どの短篇にも著者の母に対する偏愛や罪悪感が繰り返し綴られ、読んでいて苦しくなるが、同時に母の呪縛というものを多少なりとも経験している私自身には遠藤氏の気持ちが理解できるような気がした。どの作品も心を打つ部分があるが、日本に宣教のために来た聖職者の身でありながら日本人女性と結婚して職を追われた神父への書簡という形で書かれた『影法師』が一番印象に残った。遠藤氏の宗教観の原点がわかる1冊。2022/01/23

けぴ

55
遠藤周作未発表原稿。自伝的小説。大連で小学校時代を過ごす主人公。バイオリンを愛する母と平凡が一番という父。上手くいかなくなり離婚。本作では母と離れて暮らすが、本書の他の短編を読むと、母と一緒に日本に帰り、そこでキリスト教にのめり込む母に導かれ、洗礼を受けたよう。その後、母は急死し再婚した父と暮らす。『影に対して』以外の短編は既に発表された短編ですが、母をめぐる物語としてまとまって読むことで、深い愛とともに弱い人間に対して優しい視点を持つ遠藤周作さんの人格がどのように形成されたのか、が伺える秀作でした。2021/07/25

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