夫婦の一日

夫婦の一日

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  • サイズ B6判/ページ数 168p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103035220
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

よくないことが家の中で次々に起こる。インチキな占い師の言葉を信じた妻の懸願をしぶしぶ受け入れ、作家は鳥取の砂丘へ出かけた。雨の中、妻が両手が支える杭の頭を木槌で砂に打ち込みながら彼は思う。「これが人生だ。これで良いのだ」。表題作「夫婦の一日」のほか「六十歳の男」「日本の聖女」など計五篇を収録。老いとは、死とは、そして信仰とは…。生涯をかけて日本人にとってのキリスト教を追究し、昨年9月逝去した遠藤周作の最後の純文学短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roomy

3
文庫にて読了。2012/09/15

mika_i

2
今よりも老いて死を間近に感じたとき、私も若い人に嫉妬したり何か宗教のようなものにすがりたくなるだろうか。『日本の聖女』では、細川ガラシャの最期は彼女なりのキリスト教信仰だとしている。日本人は信念のために死ぬことが尊いとされる傾向がある。一方キリスト教はどんなことがあっても生き続け諦めず乗り越えることが正しいという。なるほど、生きて困難に向かっていく方が辛いだろう。死ぬことは責任を全部投げ出してしまうことかもしれない。

moama

2
表題作「夫婦の一日」は好きだったけど、あとはちょっと難しかったり女性としてはひいてしまうものもあったり…キリスト教にもう少し詳しければ理解が進んだかも。2011/09/04

ジュニア

1
短編5編構成。そのうち4編が現代(80年代当時)で連続した物語となっている(と思う)。妻にも見せない自分、自分が普段意識していない自分が垣間見えるにつれ、葛藤する様子が描かれており、全体通して重い雰囲気が漂う。最後の1編は、戦国時代で、遠藤氏が多くの小説で題材に描いている日本における宗教、キリスト教の関わりを物語を通して疑問、矛盾点を読者に投げ掛けている。個人的にはこの話が面白かったので、「沈黙」といった長編を再読してみようと思った。2020/01/05

ピノ

0
短編集です。小学校の国語の教科書の様な雰囲気の表題作から先に進むにつれて不穏な気配が強くなっていきます。六十歳の男を読んだとき、サディスティックロリコンクリスチャンという言葉が頭に浮かびました。2017/03/05

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