内容説明
キリシタン迫害史を背景とする緊迫のドラマの中に、神の存在を問い、信仰の根源を衝いて、西洋と日本の思想的対立を鋭くえぐり出す長編小説。谷崎潤一郎賞、ピエトロザク賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
125
まず信仰とは・・と考える。結婚式は神前で、お葬式は仏式の私には、主の声も神や仏の声も聞こえない。なのに困った時は全ての神仏に縋ってしまう。転び者・踏絵ー一命を賭しても守りたいものがあるのがちょっと羨ましくもあるが、あの時代そんな悠長な事は言ってられない。宣教師とて命がけなのだ。誰もこのパードレ=ロドリゴを責めることは出来はしない。苦しいなぁ・・自分の中の主だけが知っているのだ。それで良いのでは?と何度も問うのは私。が、私とて答えを持たないのだ。ただ沈黙があるだけなのだ。2017/02/14
☆エンジェルよじ☆
46
ロドリゴがころぶ時に足の痛み心の痛みを知ったのはロドリゴと基督の2人だった。沈黙という題名にはいろんな意味が込められているんだと感じた。2017/03/07
かおりんご
26
小説。このバージョンで登録していなかったので、こちらで登録。何度目の「沈黙」読了だろう。分かっているのは私自身が、節目節目で手にしているということ。今回は、「神に助けてもらおう」なんて間違いだと思った。神は、人間の目にはよくないことでも、結果的にその人にとってよいと思われることをなさるので、どんなことも御心のままになのではないのだろうか。非情に思えることだとしても、仕方がない、それが神の御意志なんだから、、、。人間に都合よくなんて、恐れ多い。今回はそんな読後感。2019/07/14
スイ
19
「彼等が信じていたのは基督教の神ではない。日本人は今日まで」フェレイラは自信をもって断言するように一語一語に力をこめて、はっきり言った。「神の概念はもたなかったし、これからももてないだろう」 キリスト教徒弾圧下、「ころんだ」とされる宣教師の後を追って日本に入った若き宣教師の苦悩。 なぜ神は沈黙を続けるのかーー。 英ガーディアン紙の「読むべき1000冊」の一冊であることからも、アメリカで映画製作されたことからも、キリスト教信者にとって興味深い内容だとわかる(作者自身もキリスト教徒だったわけだし)。 (続)2016/07/31
kanata
17
「あなたはいつまでも沈黙を守られたが、あなたはいつまでも黙っていられない筈だ(P138)」/農民たちの、この時代のこの地に住んでいたことがすべてで、彼らは転べと言われて転んだりそうしなかったりしたが、誰一人逃げたりしない。キチジローでさえも最後まで悩み続け、わたしは彼を意地汚いと罵ることができない。読んでる間緊張を強いられ、歯がゆさに悶えてしまう。神の沈黙を責める描写が随所であり、もう誰も責めないでくれと思った。長崎に3度目の旅に行きたい思いと、やはり映画を観なければならない気持ちが強まった。2017/06/10




