出版社内容情報
美しいって何だろう? という問いを胸に、気鋭の漆職人が、陶芸家、建築家、料理家など様々なジャンルで活躍する人気のクリエイターと対話し、紡ぎ出した 15の物語。「職人」と「作家」、「人工」と「無為」などの狭間を揺れながらも、人がものを作ることの核心へ迫った思索のあと。
内容説明
塗師・赤木明登がものつくる人々との対話から紡ぎ出した15の物語。
目次
人の手(シュテファン・フィンク、アナベル・シュテファン)
ただ、あたりまえのこと(坂田敏子)
無数の小さなキズ(内田鋼一)
邂逅(永見眞一)
キレイな何か(吉岡太志;吉岡典子)
時間の厚み(前川秀樹;前川千恵)
ある染物屋の日常(望月通陽)
おいしさのひみつ(米沢亜衣)
たゆたふ(辻和美)
残すもの(関勇;関貞子)〔ほか〕
著者等紹介
赤木明登[アカギアキト]
塗師。1962年岡山県生まれ。中央大学文学部哲学科卒業後、編集者を経て88年に輪島へ。輪島塗の下地職人・岡本進のもとで修行、94年に独立。97年、ドイツ国立美術館「日本の現代塗り物十二人」に、2000年には東京国立近代美術館「うつわをみる 暮らしに息づく工芸」に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
booklight
32
美しいもの、の後編のような位置づけ?輪島の塗師が、古道具屋からファッションデザイナー、陶芸家まで様々な人と対話して、浮かんできた言葉を重ねていく。制作者の内省のような作りなので、なかなか同じ深度まで潜るまで時間がかかり、読み進めるのに時間がかかった。その人と、という要素が強いので、モノだけではない広がりがある。そこが読んでいて面白くもあり、つかみどころがないところでもあり。こんな深度で生活している人もいるんだ、と驚かされる。2022/09/12
森
9
漆師の著書がいろんな職人さんとの交流を通じて、美しいものという、抽象的な事柄について記載、コトバの意味付け、議論の持っていき方など独特な物がある。ミニマムな写真を使っているが、内容的にはもっと生活感あふれた内容である。(でもなぜかそれを感じさせない昇華された文章になっています、まあそれがよいのか悪いのかわかりませんが…。)多少記載の内容にばらつきはありますが、よいですね、的を得ていると思います。2016/07/07
vodka
4
「うつくしいもの」に続き読了。途中、堀内さんとの書簡のやりとりが良くて、手紙を書きたくなりました。2023/10/12
Yuko
4
「さまざまに揺さぶられながらも、本当に美しいものに辿り着けるのは、人間だけなのだ…。塗師・赤木明登が、木工職人、陶芸家、料理家など、ものつくる人々の暮らしと美学を訪ねる。2006年刊「美しいもの」に続く第2弾。」 美しさとは?美しいものとは?を問い続けた著者の2作目。ものづくりに携わる人々の「美しいもの」をめぐる真摯な言葉と思考の軌跡。紹介されたそれぞれの作家さんたちの作り上げているものを実際に手に取って見てみたい。2015/02/19
jun
3
美しいことは人だったりものだったり。自分も、美しいと心打たれる何かを見つけたくなった。2012/09/10
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- 和書
- ジャコブ、ジャコブ