息を聴け―熊本盲学校アンサンブルの挑戦

冨田 篤【著】

新潮社（2006/04発売）

• サイズ B6判／ページ数 208,／高さ 20cm
• 商品コード 9784103024514
• NDC分類 764.8
• Cコード C0095

内容説明

「お前たちの武器は、その耳だ！」視覚障害を持つ八人の若者が全日本アンサンブルコンテストに挑戦した！楽譜はどうする？出だしの合図は？手探りで彼らを指導し、ともに涙を流した一人の打楽器奏者が綴る奇跡のドキュメント。

目次

第１章　吹奏楽との出会い
第２章　熊本県立盲学校
第３章　始まり
第４章　初舞台
第５章　ジャンヌ・ダルク
第６章　県大会
第７章　九州大会
第８章　全国大会

著者等紹介

冨田篤［トミタアツシ］
打楽器奏者。１９７５年、熊本県山鹿市生まれ。１１歳より打楽器を始める。都築学園・福岡第一高等学校芸術科卒業後、東京音楽大学打楽器科へ入学。１９９７年、第４２回西日本新人紹介演奏会において最優秀賞、福岡県教育委員会賞を受賞。現在、プロオーケストラへの客員出演、ソロ、アンサンブルなどの演奏活動のほか、九州各地のスクールバンド指導や、様々なコンクール・コンテストの審査員に招聘されている。２００１年より熊本県立盲学校アンサンブル部のトレーナーをつとめ、２００５年、第２８回全日本アンサンブルコンテスト「大学の部」で、同部を全国大会金賞に導いた。同校アンサンブル部は、２００２年に神奈川県で開催された第２６回全国高等学校総合文化祭に熊本代表として出場を果たしたほか、同年度のくまもと県民文化賞を受賞している。２００３年には、盲学校での指導が評価され、日本青年会議所が主催する「人間力大賞・文部科学部門」にノミネートされ、会頭特別賞を受賞した（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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[文庫フリーク＠灯れ松明の火]

「熊本盲学校アンサンブル」で検索し、You　Tubeで演奏を、その奏でる音を聴いて頂ければ、と願う。極度の弱視の生徒さんたち（全盲の方も）にはピアノの鍵盤のように並ぶ木琴・鉄琴の音板が、連なった１枚の板にしか見えない。その１枚板から的確に「ド」を叩き「レ」を叩き、「レ」の上の「レ♭」を叩かなくてはならない。しかも自分一人が正しい音を、適切な音量で、正確にリズムを刻んで終わりではない。各パートのフレーズ・強弱・テンションに、自分の音をリンクさせ、アンサンブルとしての「音」を創り上げなければならない。→続

2015/07/01

[ゆみねこ]

感動！熊本県立盲学校の打楽器アンサンブルを指導した筆者と、8人の生徒たちの挑戦。見えないハンデをいかに克服し、息の合った演奏を作り上げるか。コンクールの場面は涙があふれてどうしようもなかったです。読友えい　きときとさんに感謝！これも多くの方に読んで貰いたいですね。

2015/03/03

[itoko♪]

打楽器奏者の著者が、熊本盲学校の生徒達に出会い、共に「全日本アンサンブルコンテスト」全国大会への出場を目指す。娘が吹奏楽をやっていて、アンサンブルコンテスト（略してアンコン）への出場経験もあるので、親の立場からも興味深かった。健常者であっても全国に行くのは厳しいというのに。生徒さん達の素質や気力もさることながら、一つ一つのパートを演奏して録音や、二人羽織での練習など、著者の指導方法が素晴らしい！素人ながら、吹奏楽は【良き指導者】の存在が不可欠だと思う。そして、陰ながら支えた我々【保護者の存在】も・・。

2015/04/27

[ぶんこ]

バチを上から下へ下ろす・・これだけの事が首を傾けている事で角度が違ってくる。 想像もつかない事です。 私にとって音楽は譜面を読む事からしか出来ないので、どうやって教えるのかと不思議でした。 自ら各パートを演奏し、二人羽織のようにして教える。 簡単に書いてありましたが、大変だったでしょう。 それは冨田さんだけではなく、演奏する生徒さん達にもいえること。 わずかな期間でクリアしていくのには驚かされました。 多分集中力が違うのでしょう。 ヴィヴラフォン、私は挫折しました。 難しかった。 ただ凄い、立派、偉い。

2015/09/18

[Shinji Hyodo]

読友さんのレビューに惹かれて…先日読んだ『デフ・ヴォイス』では聾者の方々の苦しいながらも胸を張る生き方に感動した。今回は盲学校に通う生徒達と彼等に音楽を通じて自らの壁を突き崩せ❗️と教える熱い指導者との物語。全盲あるいは半盲で楽譜も読めない(見えない)彼等にどうやって楽器をマスターして貰えるのか…想像を超えた苦闘の日々を超えて全国大会での最高金賞受賞までの道程を描く…これは障害を持つ子供達に勇気を与えエールを送り自分達の手で未来の扉こじ開けさせたまさに、サクセスストーリー 冨田さん「翼」でなくて良かった

2015/04/05