父と暮せば

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父と暮せば

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  • サイズ B6判/ページ数 114p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784103023265
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C0093

内容説明

ヒロシマの悲劇に直面した父娘の切実な対話が、感動の渦をまき起こす二人芝居。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

s-kozy

53
戯曲です。4場で構成されています。場所は広島市比治山、時は昭和23年7月の最終火曜日の午後5時半、そこから数日間の物語です。美津江は原子爆弾によってすべての身寄りを失った若い女性。亡くなった人たちに対して、「自分だけが生き残って申し訳ない。ましてや自分が幸せになったりしてはますます申し訳がない」と考えています。そんな彼女が恋に落ち、幸せになりたい気持ちとそうなってはいけないという戒めがぶつかる。そこに「劇場の機知」を加えるとこんなに素晴らしいものになるんですね。こまつ座の演劇を観たくなりました。2015/08/08

ムーミン2号

7
1994年初演の井上ひさしによる戯曲。原爆投下により亡くなった父が、生き延びた娘のもとに幽霊的に出現するのだが、そのわけは娘の恋の応援団長としてだった。しかし娘は頑なに幸せになることを拒み、うしろ向きに生きようとする。それは何故か、が二段構えで明らかになる。ずっと、ず~っと上演を繰り返してほしい戯曲。映画にもなっているがワタシは未視聴。いつか観てみたい。2023/09/24

アキ

7
父の「正体」を知るにつれ、そのタイトルが切ない。親娘が互いに口にする「ありがとありました」。広島弁でのやりとりもあって、親娘の情愛が心に染みてくるほどに、悲しみもつのるばかり…。大切な人の死と引き換えに生き残った我が身なら、それを「知らない」こととしてこの先を幸せに生きることは罪であり許されないと心に刻む美津恵。その姿は、現代に生きる私たちこそ「知らないふり」をすることの罪深さを感じなければいけないと、教えてくれているようです。2013/11/23

sanukinoasayan

3
本作は原爆投下三年後の広島を舞台にした、娘の恋を成就させるため現世に現れた父の亡霊と、生き残ったことを悔いるその娘を描いた二人芝居の戯曲で、作者の妻が主催した劇団こまつ座の戦後命の三部作の第一作です。本作を書くにあたり作者は、その前口上としてあの地獄を知っていながら知らないふりをすることは罪深く、作者の一生はヒロシマとナガサキを書き終えたときに終わるだろうと語っています。広島訛りで語られる親子の会話の、あまりにも愛おしく、悲しく、可笑しい本作。ページを捲る手を止めたまま滂沱の涙溢れた一冊。2024/05/24

ボレロ

2
広島に落ちた原爆のために、「人を好きになってはいけない」と思い続ける娘に、 行く末を案じ、葛藤をさせながら好きになることを受け入れられるように導く父親の魂。広島弁が全体をほんわかに包んでいるが、原爆が投下された瞬間とそれ以降の人生の破壊を想像させられる悲しいお話。折りしもG7外相会談が広島で行われ、資料館や原爆ドームを見た外相達にも、読んでもらいたい一冊。人形劇団むすび座の公演をたまたま見て、手に取りました ☆☆☆2016/04/12

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